LPT annex

whatever LPT consists of

Episode 1709 : The Disappointed 2 / Ms. Ashura

練馬残念猫2 アシュラさん 主人と入籍して最初に住んだ集合住宅のそばには、小学校が隣接する公園があった。当時は沢山の動物が住みつき、それに対し誰もが何の疑問も抱かず温かく接していた。しばらく公園で暮らす間に頼れる人間と出会い、飼い猫に昇格する…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 9 ターザン:ROBORN

台湾の親戚で’15年末に亡くなった最年長の従姉の次男、建ちゃん(54)は奥さん共々日本の大学を出ていて、長女も今年日本の通訳養成コースに留学している。従姉の子供の方が私たちの年齢に近いので、若い頃から色々な形で縁があった。どうにもこうにも留学中か…

マンプク宮殿8 ホヤとヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター(前編)

その昔、仕事から帰ってきた父が晩酌でサッポロを飲んでいる時、傍らの皿に入っているオレンジ色の憎い奴、臓腑を掘り出したように見えるそれが「ホヤ」なる海産物だと認識したのは小学校を卒業するかしないかの頃だった。父のみならずお盆などで親族が集ま…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 8 アキヤマの弁当

映画じゃないけど。 今は何でも食べれる時代だ。しかし、どうでもいいものが無性に食べたくなる。高校時代の母の弁当だ。キャラ弁でもなんでもない。質実剛健な弁当。匂いも色も移ってしまいそうな深めのタッパーにギュウギュウに詰め込まれた赤いスパゲッテ…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble Summer Special : Who Do You Think You Are(BBC) あるいはSuffragette(未来を花束にして)

2004年から好評を博しているUKの先祖探しTV番組、Who Do You Think You Are. そういえばイギリスの何人かの友達との会話にも何回か登場していた。先日4半世紀ぶりに会いにいったEssexのPeter親子は「探しても探しても、どこまでも貧乏だった。「Happy but Po…

マンプク宮殿7 ビッグマックとCLOSER

どこの地方都市でも大体そうだとは思うが、私の育った街も1980年代初頭位までは全国チェーン展開している外食産業、小売業系の店舗は殆ど進出して来ていなかった。地元資本のチェーン店、個人経営店舗で商店街は形成され、どこも18時、遅くても19時には閉店…

Episode 1707 : The Disappointed 1 / Ms. Kodera

練馬残念猫1 小寺さん 今から19年前の2月、婚約したばかりの主人と私は、新居の候補地を足で歩いて見ることにした。当時主人は世田谷に一人暮らし、私は池袋に家族と住んでおり、既に母が要介護状態だったので、独立しても通勤の行き帰りに実家へ寄る事が今…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 7 ヘレナ・ボナム・カーター

映画は大好きだ。私の人生から音楽と映画を除いたら生ける屍に、いやゾンビに、地縛霊になってしまう。(ほんとかよ)はまってしまうとひつこいので(ほんと)、例えば偶然BSとかで見かけたアメリカの人気テレビドラマとかが1、2年遅れで放送され気に入…

Portishead / Third

90年代にトリップ・ホップの金字塔として君臨したポーティスヘッド、10年振りの新作です。前作までのひしひしとした底冷え感はそのままに、壁の分厚さが加わって、無防備な薄着感(それをヤラセ感とも呼ぶ)から万全な寒さ対策を施して業務用冷凍庫に突進して…

マンプク宮殿6 100円タンメンとMarquee Moon

上京して最初に住んだ街は中央線の西八王子駅前から歩いて15分の散田町という所。通学に使うバスの停留所から近い&家賃安い割にまあまあ広い間取り(四畳半+三畳、風呂なし、トイレ共同)という理由で決めた物件だったが、住んでみるとこれがまた大変。1階…

Episode 1706 : I would talk about it when I went to heaven 1

冥途の土産話 1 これだけは墓場まで持って行き、鬼籍の人びとに是非とも聞いて頂きたい「冥途の土産話」を、墓場へ行く前に備忘として綴っておこうと思う。 今から7年前の5月、介護中だった父が亡くなった。生前の父や看取り介護については過去に書いたが、 …

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 6 お父ちゃんの初七日 Seven Days in Heaven:父後七日

台湾の葬式は変わっている。まあ、アジアはどこもそうだと思う。あっちから見たら日本の葬式はかなり楽な「手抜き」に見えるらしいが。 ハーフなもので、台湾の葬儀には数回呼ばれた。日本のように亡くなった後1週間以内にはすべて終わってるとか、そういう…

Metro / Metro

私の今年上半期ベストに輝く1枚です。70年代モダンポップですが、美しい旋律にのる歌詞は、韓流も真っ青のベタベタ悲恋もの。中心人物のダンカン・ブラウンはVo.のピーター・ゴドウィンとはゲイのカップルだったらしく、破局後脱退。闘病の末‘93年に逝去しま…

マンプク宮殿5 南部煎餅と偽り

実家から東京へ出てきて驚いたのが食料品店の煎餅陳列棚に南部煎餅が殆ど見当たらない事だった。家の食卓上に煎餅が置いてあればそれはほぼ南部煎餅、それ以外のものは稀であった環境で育っていた私にとって地域的な食文化の差異を思い知らされた一件。食文…

Episode 1705 : The Disappointed / prologue

練馬残念猫 序章 練馬に住み始めて19年になる。すなわち生まれてから来し方ざっくり6割を池袋、4割を練馬で暮らしたことになるが、実家も現在の住まいも賃貸住宅の為、基本的に動物は飼えない。こっそりインコや魚を飼ってもみるが、主人も私も実は大の猫好…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 5 真珠の耳飾りの少女

台湾は様々な国に支配されてきた。明の一部としてオランダと戦った17世紀。結局1624~1662年の37年間も南部を首都として統治されていた。その中心地に建てられたゼーランダ城は今でも観光の名所だ。台北とは違い、何かのどかな台南。父も南部麻豆(まとう…

Curved Air / Live

1975年リリースされた初期ライヴのリマスターです。どうもこのライヴは、バンドが活動停止中に興行主の金策でやらされたらしく、本来は鈴を転がしたような美声の紅一点、ソーニャ・クリスティーナが一転、頭にたらいでも落ちたかの如く狂唱、完全に針が振切…

マンプク宮殿4 コッペパンとThe Voice of America

いつの間にか全国区で知名度があがってしまっていた地元のパン屋「F田パン」。私が高校生の頃は昼飯前、3時限目の終わりくらいに学校に売りに来る新陳代謝全盛期の餓鬼御用達のパン屋だった。 かなり大きなコッペパンの横に切れ目を入れて様々な具を入れて…

episode 1208 : nephew K's extraordinary life chapter II

「甥っ子Kの非日常Ⅱ」 父が逝って3度目の夏が来た。毎年旧盆に催される霊園での行燈供養に今年も姉妹揃って参加した。今年は、長らくの地方ゲーセン赴任が昨春漸く終了し、晴れてゲームソフト開発会社の本社勤務となり東京に戻ってきた甥っ子Kも来てくれる…

ハンブル・サーバントの独り言 Humble Mumble 4 リリーのすべて The Danish Girl

台湾の親戚と初めてタイに行く事になった時、適当に購入したガイドブックでタイは国民の約1割がレディ・ボーイだという衝撃的情報を得た。確かにその筋のコンテストもあり、日本のタレントが優勝するくらいだから、その手の方々が生きやすい国なのかもしれ…

The Smiths / The Sound of The Smiths

80年代のマンチェスターを代表するギターバンド、ザ・スミスの2枚組ベスト。3分前後と短くメリハリの利いた曲構成、J・マーの天才的なギターワーク、嫌味な歌詞を風呂場の鼻歌ばりに気持ちよく歌い上げるモリッシーのヴォーカルが当時の音楽シーンを席巻…

マンプク宮殿3 学食ラーメンとSEX GANG CHILDREN

当時通ってた高校から自転車で10分程走らせると地元国立大学のキャンパスへ辿り着けた。 親から貰っていたお小遣いは月¥2,500。80年代の国内盤新譜LPの定価は大体¥2,800。再発廉価盤でようやく¥2,000。単純に考えて新譜だと2月で1枚しか買えない。廉価盤…

episode 1207 : Axis of dining evil

「食堂の三悪」 家の近所にこの辺では珍しい個人系和食居酒屋が昨年オープンし、結婚記念日のお祝いに、平日だったが先に私が店に入り、追って主人が職場から駆付ける事にした。店の外は地引網やガラス球の浮子が玉砂利の上に飾られ「○○港網元△△」等関東近郊…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 3 裏切りのサーカス Tinker Tailor Soldier Spy (2012)

先般、某国最高指導者の義理の兄が、何者かによって滞在先の某国空港で毒殺された。工作員...スパイ...一体誰が?まるで映画のように。私は政治経済はまるっきりわからない。スパイ小説なども読んだことがない。しかし、ただの名もない中年女として痛く感じ…

Manfred Mann Chapter Three / Volume One

昨年(注:2009年)紹介した'Volume Two'の前年(1969)に発表された、こちらが1stです。これからいよいよ時代が混沌としてくるぞ、といった予兆ふんぷんな耳元絶叫サウンドは次作と同様ですが、押しの強いベースと破裂するホーンセクションが織り成す筋弛緩的グ…

マンプク宮殿2 新巻鮭と怪奇骨董音楽箱

私の住んでいた地域の海沿いでは冬になると鮭が遡上してきて、沿岸部に住んでいる親族から新巻鮭が届くのが恒例になっていた。届いたら外の物干し竿に吊るして保存、冬は最低気温が-15度、最高気温も零下を上回る事が少ないこの季節は冷蔵庫要らず、食べる時…

episode 1206 : Travel with hope, travel with joy : two

「おじいちゃんに会いたい(後篇)」 海外オークションで知合ってから3年、遂にイギリスのデイヴおじいちゃんとご対面の日が来た。駅で両手を広げ待ち構えていたおじいちゃんに、むぎゅうううとハグされ、ぶちゅううううと真正面キスされ「よう来た、よう来…

ハンブル・サーバントの独り言 Humble Mumble2 フル・モンティ

昨今、介護問題は避けて通れない。今、イギリスの古い友達が母親の介護に直面している。 独身の彼は介護に専念するため10月で退職した。幸い、妹夫婦とも連携プレーを取っていて時折近況をメールしてくれる。エリザベス女王にそっくりで、自分の亡き母と同…

The Stranglers and friends live in concert

1980年、ヴォーカル兼ギターのH・コーンウェルが薬物所持で投獄されてしまい、既に決定していたストラングラーズのツアーに参加できなくなったため、やっつけで召集した「フレンズ」達がライヴに参加、ヒューの穴埋めをしまくった模様を収録したライヴ盤です…

マンプク宮殿1 干し芋と宮殿

最近にしては珍しく冬らしい寒さと乾燥が続く2017年初頭東京の冬、すっかり最高気温が零度を下回る環境での冬暮らしを忘れかけている私に18歳まで暮らしていた生まれ故郷の感覚が少し戻ってくる時というのはそんな季節。 春、夏、秋はものごごろついた歳から…

episode 1205 : Travel with hope, travel with joy : one

「おじいちゃんに会いたい(前篇)」 5月の連休を利用して、イギリスへ行った。3年前海外オークションで知り合い、今ではメールや電話で頻繁に連絡を取る昵懇の仲となったデイヴ翁も御年80、今は元気でもいつ急に連絡が取れなくなるかもしれない、これだけ…

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 1 王様と私

仲のいい台湾の従兄の長男の嫁がタイ出身の華僑で、(米デンバー大で知り合っていて、二人の共通語は今も英語で不思議)今年の夏休み、従兄の好意で私もタイの家族旅行に混ぜてもらった。 一生行くことはないだろうと思っていた国なので、せめてもの敬意の印…

ちょんまげ天国~TV時代劇音楽集~

2002年発売から10年経った今もなお廃盤になっていない、TV時代劇主題歌集の決定版です。水戸黄門や暴れん坊将軍をはじめとするメジャーどころから、曲を聴いて初めて思い出すようなマニア好みまで全27曲、軽妙な曲を聴き進むにつれ、放映当時毎週欠かさず見…

LPT annex news : In the court of Mampuku starts in 2017

Team LPTの重鎮、音響担当Dr. Budgie、というよりLPTファンの皆様には「ジェントルマン」と言った方がわかりやすいですね。本編LPTでも2016年7月より大活躍のジェントルマンは、本来音楽を生業としている方で、おまけに無類の食いしん坊。本年1月よりLPT ann…

LPT annex news : New Life is Life starts in 2017

2015年夏のLPT annex開始より長らくご愛読いただきました、店主タヌの企業コラム再編成記事、life is life。コラム連載終了が2013年初頭でしたので、そろそろ過去原稿が底をつきてまいりました。そこで、残り原稿そのまま新コーナーに移行し、引き続き書き下…

LPT annex news : Humble Mumble starts in 2017

2016年春、突如結成されたLPTのリアルイベント、Cabaret LPTのサポートメンバー、Team LPT。女性ユニット、ザ・ハンブルサーバンツと音響担当のジェントルマンことドクター・バッジーの3名にて構成されています。彼らは、すべて行きがかり上、店主タヌを手伝…

John Foxx & Louis Gordon / Neuro Video

昨年11月*ロンドンで行われたライヴを収めた最新作で、今月国内盤も発売されます。選曲はファン投票との事で、近作を中心に演奏していますが、「ガーデン」時代の作品も3曲持ってきており、中だるみがなく間髪入れない展開で、初期作品から新曲まで隔てなく…

episode 1204 : A Torrential service

「ゲリラサービス提供中」 天気の良い日は会社から大手町まで歩いて帰る事が多い。先日、八重洲仲通りを通り東京駅へ向かう際、ふと進行方向左側に蕎麦屋が3軒横並んでいる事に気づいた。立喰そば屋、隣も立喰い、そのまた隣は普通のそば屋…あれ?真ん中の…

Killing Joke / Killing Joke

現役ポスト・パンクの重鎮、キリング・ジョークが90年代後半の倦怠期を脱出、2003年にデビュー作と同じセルフ・タイトルにて発表した復活作です。80年代後半から時流に乗せたキレイめサウンドで失速していただけに、本来の真骨頂である隙間のない真っ黒なゴ…

episode 1203 : Sakuradai Curry War : two

「桜台カレー戦争(後編)」 城北の住宅地・桜台で勃発した2軒のインドカレー屋による熾烈な戦いは、後発の店が前振りなく閉店した事により膠着したが、それは新たなるフェーズへ向かう静寂に過ぎなかった。立春を目前にした1月の終わり、またも告知なく内装…

Echo & The Bunnymen / Crystal Days : 1979-1999

活動20年を回顧する、4枚組のベスト盤です。年代順に聴いていくと、リーダーのイアン・マカロックが、ガラスの破片を両手一杯握り締めるような若さゆえの不安から、どの辺りで開放され、よき伴侶を得て精神的に満ち、安定してくるかという過程が、笑っちゃ…

episode 1202 : Sakuradai Curry War : one

「桜台カレー戦争(前編)」 開国後、日本人のカレー好きは周知の事実で、家庭で作る欧風カレーは勿論、近年ではサラサラで激辛なインドカレーもすっかりお馴染みになった。先日、桜台は個性派ラーメン激戦区だと紹介したが、昨年からもう一つ、熾烈な闘いを繰…

Comus / To keep from crying

70年代初頭に活躍したプログレフォークバンド、コウマスです。9人編成という大所帯で、ヴォーカル3人、鳴り物複数、定員オーバーの大迫力です。まるで4畳半の風呂なしアパートに客が15人位やってきて、座る場所もなくワイワイガヤガヤ立ったまますし詰めで飲…

episode 1201 : Current funeral style in UK

「イギリス葬祭事情」 海外オークションがご縁で知り合ったイギリスの老紳士と仲良くなって3年になる。流石は天下の英国紳士、メールや電話では強烈なブラックジョークとウィットにいつも一本取られっぱなしだが、そんなデイヴおじいちゃんの愛妻、ジルおば…

Five or Six / Acting on Impulse : The Best of Five or Six

80年代ネオアコブームの火付け役、チェリーレッドの傑作オムニバス、「ピローズ&プレイヤーズ」に入っていた曲、’Portrait'が明るく爽やかなので他の曲もそうかと思えば大間違いのファイヴ・オア・シックス。長らくCD発売がなく隠没していましたが、満…

episode 1112 : Thriving leads to a breakdown

「商売繁盛、それ以上」 わが街、桜台は数年前から個性派ラーメン激戦区として各店舗が日夜しのぎを削っているが、三田に本店を持ち、そこから暖簾分けした数ある支店でもトップクラスの味と評されるラーメン店は、暴力的な麺と具の量に始まり、トッピングを…

THE SISTERS OF MERCY/5CD ORIGINAL ALBUM SERIES

ワーナーがその膨大な版権をもとに自社を代表するアーティストの作品を5枚セットにして廉価再発しているシリーズで、大御所が名を連ねる中太陽の黒点の如くシスターズ・オブ・マーシーも発売されました。彼らは作品が少ないのでこの5枚でほぼ網羅、即席でシ…

episode 1111 : Suzhou Serenade

「蘇州夜曲」 今秋、9年ぶりに上海へ行った。正確には蘇州に近い、外国企業を誘致した経済特区で商売をしている台湾人の従兄が、遊びに来いと招待してくれたのだ。9年ぶりに訪れた蘇州は、日本で言うなら明治から平成へと一気にタイムスリップしたようなギャ…

The Stranglers / Live X-Cert

'78年のリリース時全英7位を獲得した初のライヴアルバムで、日本でも2006年紙ジャケで再発されました。当時は「ストラングラーズを聴くならライヴから聴け!」と言われた程、演奏・曲構成ともに初期の彼らを知る上で外せない、完成度の高い1枚です。通常パ…

episode 1109 : Danger Spot

「デンジャースポット」 桜台に住んで14年目になるが、住み始めた頃はぼろぼろの駅舎にぱっとしない駅前、地味な住宅街という印象だったのが、駅が高架になってから徐々に再開発が進み、最近では個性派ラーメン店の激戦区となったりして、あちこちで行列がで…