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episode 0811 : Regression of self-consciousness

「自意識の後退」

 先日、ふとした会話の中から、人気男性韓流スターは全員自分より年下だと知った。何故か、真正面から驚きだった。全員、年下か…日本で一番人気の、眼鏡の似合う俳優さん位は年上だろうと思いこんでいた。

 結構驚いたので、色々な人にその事を話した。すると主人の友人で、私より2歳年上の男性が「そういえば、成人向けビデオで『熟女もの』というのがあって好きで良く見てるけど、よく考えてみると出演している女優さんは皆自分より年下なんだよ。ああいうものを見ている時は、自分の自意識も10代ぐらいに後退してるから、違和感ないんだよな。」と言い出した。彼はその話を同じ「熟女好き」の友人とよくするのだと言う。

 自意識が、10代に後退…

瞬間、いかずちを一発食らったような衝撃を受けた。今までその精神性に私は41年間、微塵も気づくことがなかったからだ。もともと私は若い俳優や芸能人にはあまり興味がない。憧れの目線が自分の年齢と共に加算スライドしているらしく、少女時代から憧れている人がそのまま年齢を重ねて50代前後になっており、年上の人に憧れる…という女性にとって永遠の縮図が今だに保たれているため、一方で「高校野球のお兄さん」とか「韓流スター」を頭のどこかで年上の存在とスイッチングしている己の頭の構造が、まさか自意識の後退だとは、思いもしなかった。そう考えると、特撮ヒーローを自分の子供と一緒に追っかけるお母さん連中や、アイドルグループのコンサートに列挙する中年女性達は、みな自然とその間は自意識が後退しているため、本人にとっては何の違和感もなく夢中になれるのだと得心した。この際、友人が熟女ビデオを観ていようが、いつもお世話になってるあの人が熟女好き?という事は一切問わない。ただその事実がわかっただけで、一歩前進できたような気がした。

後日、会社の本店長にその話をしたら、本店長はにっこり笑って「大丈夫、相手がちょっと遅く生まれただけのことです。何も気にすることはありません。相手はスター、あなたはただの…」

「オバサンです」

先手必勝で自分からオチをつけて、やり取りは終わった。

Nov. 2008