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LPT annex

whatever LPT consists of

episode 0904 : The trial lesson : two

life is life

「体験入門(後編)」

 先月より何となく入会したフィットネスクラブで強烈しごかれる事になった私は、2度目のトレーニングでもこれ以上は無理、という負荷をかけられ、遂に激しい頭痛を起こして帰る始末となり、帰宅後も起き上がれない程の頭痛が数日間続いた。3度目にそれを店長に話すと、「深刻な病気が隠れているかもしれません。早めに大きな病院に行って、検査してもらって下さい」とはいうものの、その日のトレーニングでも相変わらずの頭痛で、さすがに不安になった。以前運動していた時にはこんな風にはならなかったのに、何が悪いのか?

 頭痛を抱えながら出勤し、給湯室でぼんやり茶を用意していると、本業の傍ら柔道7段、現在も次代の柔道家を育成すべく私塾を設けるM課長が通りがかった。何の気なしに今の状況を話すと、温和なM課長の顔が「M師」の顔に変わった。
「間違いあらへん。それは酸欠や。負荷が強すぎんねん。最初は物足りん位で始めんとあかん。うちの道場やって、最初は前転・後転だけを半年やるんや。最初はそれでも長い事運動しつけへん奴がやったらできへんねん。うちの道場でも、酸欠で倒れた女子が出たんで、そこからや、酸素ボンベを常備したのは。何とかその店長にゆうて、最初はこんなんでええんか、位の負荷でやらんとあかんで」

 M師の説教に目からウロコの落ちた私は、病院にいくのも忘れ、M師から言われた事をそのままオウム返しに店長に伝えた。すると、別段驚きもせず「そうでしたか。それじゃ慣れるまで軽~く、慣れたら集中的に行きましょう!!」とあっけなく方向転換。かくして私の頭痛もそれ以降起きる事もなく、店長も無理を言わないおかげで段々疲れも残らなくなってきた。だが油断すると「エアロの時は手にダンベル持って下さい」と私だけ両手に鉄アレイを握らされたりする事もあり、まだまだ気は抜けない。コーチたるもの、指導する会員の中から大会級のアスリートを出すのは大いなる夢に違いない。しかし、住宅街の簡易なフィットネスクラブで、それは所詮無理な話じゃなかろうか。集まる人達をもう一度ゆっくり見て欲しい。私を含め、息の上がった中年客ばかりじゃないか。

それと、今私が一番このクラブで気がかりなのは、入会当時には5人紹介されていたコーチの写真が、気づくと3枚に減っており、しかも殆どが店長と一人のバイトコーチで切り盛りしている事だ。私の健康も心配だが、この店の健康状態も大いに気になる。運動で息が上がらなくなった頃にクラブが息切れ、なんて事にならない事を祈るばかりだ。

Apr. 2009

追記 Jul. 2015

その後、私の不安は激当たりし、このスポーツジムは閉店しました。後日投稿のlife is lifeにて詳述。諸行無常。