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LPT annex

whatever LPT consists of

episode 1002 : No Longer Human

life is life

「踊るダメ人間」

 年始に罹病した胃腸風邪が治りきらない1月のある日、桜台の焼肉屋からDMが来た。岩手の黒毛和牛、門崎丑(かんざきうし)を振舞うこの店は、直営牧場を持ち精肉販売も行う本格派で、一関の本店から来たDMには、本店でのセールに併せて精肉を特価通販する旨の注文用紙も入っていた。何度も行った事があるので肉の旨さは確認済だし、しかも安い。門崎丑の切落し、100g/250円。黒豚の切落しなら100g/50円だ。何を作ろうかと期待は膨らみ、胃腸風邪も吹っ飛んだ。ただしネックは肉の安さを瞬間相殺してしまうクール便料金だ。そこで桜台店で出している肉は毎日本店から直送なはず、と、通販品の店頭受取は可能かどうか、桜台店に電話して問合わせたところ、男性が出て

「ああ、やってないんですよ、やってないです」(がちゃ)

と、けんもほろろに断られた。その返答があまりに横柄だったので、美味しい店なのに損だなあ、と暫く耳に残っていた。

 数日後、主人と私の誕生祝にその焼肉屋へ行ったら、新メニューが出ていて、①アルコール②メインのお肉③しめ から各1点ずつを選ぶ、プリフィックスのミニコースなのだが、下戸の私は①からは選べない為、馴染の店員さんに「①は、ソフトドリンクに変えて貰えますか?」と尋ねたら、奥から男性が聞こえる様に

「ああ、ダメだよ、やってないよ、ダメダメ」

と店員に指示していた。指示していたのは、先日の電話の声の主だった。店長?毎日本店から直送される肉と同梱。単価の高いアルコールをノンアルコールに変更。いずれも桜台店にとっては損な事は何もないはずなのに、あまりの機転の利かない対応に、その日の肉は少し硬く感じた。

 帰宅後、今度は一関の本店に電話をした所、二つ返事で桜台店への直送を快諾してくれた上、桜台へ届く日の朝・昼と2回も本店から電話が来た。これからも、店頭受取なら送料無料で良いとの事。厚意に感謝し、会社帰り桜台店へ肉を受取にいくと、例の男性が迷惑そうに奥からこちらの顔を見た後、馴染の店員が呼ばれ、彼に肉の置き場所を伝えた後は、私をいないものとして向き直った。

 いい店なのに、こういう何でもダメダメ言う人が1人居るだけで台無しだ。そんなにダメダメ言ってたら、お店もダメになっちゃうよ。このご時勢、ホントにそのうち潰れるよ。

Feb. 2010

追記 Jul. 2015

その後上記の店はつぶれるかと思いきや、地元一関はもちろん六本木にも次々支店を出し牛舎直営の良心的な価格でおしゃれに展開、折々グルメ特集にも登場する定評の人気店に成長しました。お肉のオンラインサイトもでき、今でもとっておきの時に利用しています。店長はどうなったか?当然、程なく別の人に変わりましたとさ。