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ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 11 ロビン・フッド

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セレブの訃報は知り合いでもないのにいきなり入ってくる。ネットだったり、狸夫婦からだったり、友人からだったり。2016年に至っては本当に多くの方々が他界された。ボウィ様、プリンス様、後半にはPバーンズ等々...数年前のMJ様の急死もお互いファンでもないのに、福岡の友人から他界当日メールで知らせがきた。楽曲はいつも聞いてる米軍放送でしょっちゅう聞いてたので馴染みがあっても1枚のレコード、CDも持っていなかった。なのにとりつかれたようにDVDなど買いあさり、本当にとりつかれたように何度も何度も見ては、彼の壮絶な人生と天才ぶりに圧倒された。(SONYはかなりの特需に預かったという)

天才というのは、やはり命と引き換えなのかと思わされた。彼のデビュー当時はまだ黒人差別が根強い時代だったというのも「キャー、マイコー、カッキー!!」では済まないものを感じた。

 

先日、「アリス・イン・ワンダーランド、時間の旅」をオンデマンドで見ていたら、エンドロールの最後の最後に「アラン・リックマンに捧ぐ」と一行。え?アラン・リックマンて、あの「ダイ・ハード」で物凄い美声の冷酷な北欧のテロリスト役でブレイクした、あの人?「Toching,very touching...」という皮肉な台詞が今も忘れられない。アリスの中では毛虫の親分(CG)の声の出演だけだが、これだけ俳優がいる中で、聞いてすぐ彼だと分かる声だった。近年のダントツはやっぱりハリポタのスナイプ先生役だろう。一貫して黒づくめのロンゲでイギリス英語であの声なので、存在感が凄かった。即ネットで調べると、1月に膵臓がんで他界されたという。享年69歳。そうか...と見ていると、出演作に「ロビン・フッド」がありアカデミー賞助演男優賞まで受賞してるという。主演は当時「ボディ・ガード」とかでブイブイ鳴らしていたケヴィン・コスナーなんだが、中世ものは好きなので、早速見てみたら12世紀リチャード王時代、ノッティンガム代官という悪役を40代前半の彼がちょっと滑稽ぎみに、でも憎々しく熱演していた。ロビン・フッドが高貴な出だというのも知らなかったが、悪代官により即お尋ね者にされ誰も近づかないシャーウッドの森に拠点を構える。自給自足で武器なども作りチームを組んでいく村人の中に、70年代に大ヒットした「小さな恋のメロディ」で日本でもアイドル化したジャック・ワイルドがいて驚いた。あんなに可愛かったのに年月は残酷だ。ジャック・ワイルドだと気付かずに終わる人も多いだろう。彼も10年位前に50代で舌癌で亡くなっている。諸行無常。異教徒で十字軍遠征先で救われた恩を返すため、ロビンの家来になるムーア人にモーガン・フリーマン、実はロビンの腹違いの弟だったという、村人のわりにはイケメンすぎるウィル・スカーレット役をクリスチャン・スレイターと、中々豪華なキャスティングだ。最後の最後に、ロビンとマリアンの簡素な結婚式場面にずっと不在中だったリチャード王が現れるのだが、ショーン・コネリー!それも10秒くらい。友情出演てやつか?撮影は大好きなヨークシャー地方でされたらしく、当時の貧しさや文化的な描写もとてもよくできていたが、最後まで主役のケビン・コスナーだけがバリバリ、アメリカンで浮いていると感じたのは私だけだろうか。

 

PS:コスナー氏はその後、本作でゴールデンラズベリー賞最低主演男優賞を受賞しています(完)

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