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ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 20 判決前夜 Before and After (1995, USA) あるいは美少年

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誰もが知ってるシュワちゃんのターミネーター・シリーズは大好きだった。特にタミネ2で彗星のように現れたエドワード・ファーロング(当時14歳)の普通の子供とは思えない愛らしさにはハート鷲掴みで、何回も何回も見たっけな。さぞやステキな青年に成長していることだろうと作品を探したが、KISSのコンサートに行くのに死に物狂いになる「アホ」を演じたDetroit Rock Cityでは見事に期待を裏切られた。何かトンカチでたたかれたように、ずんぐりむっくりな青年になっていて目を疑ったが、話は面白かったのでヨシとした。 

 

最近、偶然「判決前夜」という映画を発見した。「ハンケツ???半ケツ⁈」と別次元でタヌ夫婦は興奮していたが(笑)、タミネ君撮影直後の作品なので、まだ17歳位。父親がリーアム・ニーソン、母親がメリル・ストリープという、それだけでも大変そう~と思ったが、期待は見事に報われた。

ニューハンプシャーの小さな町で彫刻家の父と小児科医の母を持つ息子に、元カノ殺しの容疑がかけられる。子供を守るためなら証拠隠滅でもなんでもする父、真実を正直に世間に訴えなくてはいけないと主張する母、どうしていいかわからない本人、手の平を返したように冷たくなる町の人々。オレ流を貫く弁護士、家族の絆って...その葛藤を描いていく。

物語の冒頭、静かな町の景色を映しながら、妹のモノローグで進んでいく。「ある’一瞬’を境に、すべてが変わってしまう瞬間がある。すべて悪くなるわけではないけど、もう二度と元には戻れない’一瞬’が。Before and after...」と。

 

他にもっといい子いなかったのかというくらい、ビッチビチな彼女に弄ばれるエドワード君。車の中で彼女に「赤ちゃんができたの」と告げられたときの、まだ人生経験10数年しかないティーンエイジャーの困惑ぶりを何よりも雄弁に語っている「無言」の表情だけでも、この映画は見た甲斐があった。

その彼も今はもう40代。さぞやステキな大人に成長してるだろうと検索しまくってみた。

ううう、時間は残酷だ。子役あがりお決まりの?ドラッグ、アル中、DV、離婚、おまけに超肥満になっていて、生き様が全身から匂いだっているのだ。カルヴァン・クラインのモデルまでやったのに~。 

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エドワード・ファーロング before and after

失意の中、検索を続けていると渋いオジサマが出てきた。美少年繋がりなのだろう。あの名作「ベニスに死す」で名優ダーク・ボガート様を翻弄した、妖艶なタジオを演じたビョルン・アンドレセン!大好きだった!出てくる、出てくる、とても人間とは思えない15歳当時の綺麗な写真!確か来日もしていて、欽ちゃんの番組に出ていたのを覚えているが、タジオのイメージがついてまわり、その後はあまり映画には出ず、元々好きだった音楽で身を立て、妻子にも恵まれ、ステキな北欧紳士(63)になっていて、ほっとした。大きなお世話だが。

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ビョルン・アンドレセン before and after

ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズのように、若い頃は恐ろしいほどのウマヅラでキモイのでなるべく見ないようにしていたものの、近年ではアブラが乗り切って、リチャード・ギアばりの「ええ~オトコや~」になってる人も散見する。やっぱ、人って生き様がでるよな~と感慨にふけってしまいました。

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ロジャー・ウォータース before and after

なお、絶世期の美少年、おふたりの絵を描こうと思いましたが、「絵にもかけない美しさ」故、タヌさんにサイトから適宜選んでもらいました。特にエドワード君に関しましては、本人の名誉のため、どん底写真は控えさせて頂きます。あしからず!(何様のつもりだ!)