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マンプク宮殿15 好きではないけど懐かしい1

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 このタイトル、4年ほど前に出た坂本慎太郎アルバムの収録曲のものだが、良いタイトル。そういう感じするもの沢山あるある。

 

昔から自分が嫌いそうだ、趣味にも信条にも合わない、と思ったものは極力近寄らない、関わりを持たない、関わりが出来そうになったら全力で逃走を図るという生き方をしてきたので直撃ダメージを食らうほどのものはそんなに無かったように思うが、「これ・・・なんか良さそう」と周辺情報だけを頼りに試し痛手を負ったものはそれなりにある。長い年月を経て「懐かしい」と感じられるものを幾つか。

 

ASIA(邦題:詠時感〜時へのロマン)

詠時感(エイジア)?時へのロマン?(紙ジャケット仕様)

KING CRIMSON,YES,ELP,のメンバーが結成したスーパーグループ。少し昔ならBlind Faithみたいなものか。各々のメンバーが在籍したバンドは好んで聴いていたので期待していたのだがジャケを見たとき嫌な予感が。ロジャーディーンのデザインなのだが色の使い方が妙に明るい上にJOURNEYとかSTYXなんかと同じ雰囲気を感じた。そして音を実際聴いた所で予感は的中。大風呂敷なキーボードに彩られたキラキラした音。そしてそれに全く似合わないギターとドラム。ヒット曲「HEAT OF THE MOMENT」のギターソロなどいまだに曲に合っているとは思えない酷いソロだと思っている。美味しそうな食べ物を合体させればより美味しくなるはず!と思って合わせたら各々の悪い部分だけが増幅されたような感じ。子供の頃 牛乳とコーラ、どちらも好きだったので合わせてみたらおぞましい味の飲み物が出来てとても全部飲みきれず捨てた事を思い出した。まさしく「混ぜるな危険」!

市販のものなら「コーヒースカッシュ」かな・・・・炭酸とコーヒー。どちらも好きだし10年毎に色んなメーカーから思い出したように発売される。騙される!と思いながら試してみるのだが毎度騙された気分になるのが御約束だ。

 と言いながら数年前に怖々再度聴いてみたらアレンジは今でも好きになれないが曲は悪くないな・・・・と感じた。気付けばたまに鼻歌が出てきたりする。2枚目や3枚目を聴いてみようという気にはまるでなれないが。

 

Marillion/Market Square Heroes

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中学から高校へ行く間際の時期、某音楽誌で「イギリスでは今新しいプログレの波が来ている」という特集があり、そこで筆頭に紹介されていたバンド。他にはTwelfth Night、Pallas, Pendoragon, IQとかが紹介されていたと記憶しているが、後にこのバンド群は「ポンプロック」というジャンル分けをされる事になる。このマリリオンなるバンド、当時は初期GENESISの再来とか言われていたので聴いてみたかったがまだ12インチシングル1枚のみが英EMIから発売されたばかりで地元では入手出来なかった。高校入学前の春休み、初めて上京した時に新宿レコードで入手出来たのでかなりの期待持って針を落としたのだが・・・似ているとはいえば似ている。曲調も歌の感じもジェネシスを範とする音なのは判るが聴いていて全然面白くない・・・仏作って魂入れずという言葉がこれほど似合うものは無い。何回聴いてもどうにも駄目でそのまま実家のレコード棚に鎮座したままだ。この作品を聴いてから「何々に似ている」という売り文句につられてレコード買うのは危険だという意識が目覚めたのが収穫だった。

 彼らはその後も作品を発表し続け大物バンドになっていった。あの作品以降恐らく独自性を身につけて彼等ならではの作品を出していったのだと思うがどうも聴く気になれない。その後出た作品もジャケットのデザインが全く好みでは無く聴く気を失せさせるというのも大きな理由でもあるが。

今でも実家に帰ってレコード棚を漁るとこいつのジャケが出て来る。それを見るたびに「新宿レコード」に初めて入って入口横の棚に荷物置くのを知らず怒られた事を思い出すが、その新宿レコードも少し前に下北沢へ移転してしまった。あれから36年。

子供の頃、給食で出てきたヨーグルトが好きで、近所に出来た駄菓子屋で「ヨーグルト」なるものが子供の小遣いでも楽々買える値段で売られていたので喜んで数個買い込食べた時の裏切られた気持ちに近い。と言うのは言い過ぎか。

 

Emerson Lake & Palmer/Love Beach 

LOVE BEACH

こいつは聴く前から絶対ヤバイ!という雰囲気が濃厚なアルバムだった。このバンドの初期3作品は好きで良く聴いていたがそれ以降がどんどんつまらなくなっていった。(世間的には5枚目が最高傑作と言われているらしいですが)6枚目以降は各々ソロ作品を各面に収録して最後に2曲だけバンド作、とか過去のアウトテイク繋げただけ、とかあからさまに退潮を感じさせる作品を出したのちの最終作。

 ジャケからして南のビーチでシャツはだけて胸毛丸出しでニヤつく親父3人。ビージーズみたいだ。そしてタイトルが「ラブ?」「ビーチ?」数年前はギーガーデザインのジャケ作ったり「Brain salad surgery」とか曲名付けていたのに一体何が起こったのやら。

 とりあえずこのアルバム以外は全部聴いたので、聴かねばならぬ!という義務感8割方で聴いてみた。友人の姉さんが持っていたので借りたのだが、借りる時その友人からも「これつまんないよ」という一言付きで手渡されたそれ。

 想像通りのつまらなさだったが聴く前から期待値は最低だったのでそれほど失望はしなかった。1回だけ聴いてカセットにも落とさずそのまま返却「やっぱつまんないね。言われた通りだったわ」と一言添えて。

 それから20年位後、中古200円でCDが売られていたので買ってみた。聴き直してみると昔ほど悪くない。いや。良いわけでもないのだが普通に聴けるし腹も立たない。

年齢なりに耳年増になっているので、「あーここらへんからプログレの方々も時代に合わせようと頑張っていたのだな。ASIAの種はここらへんで蒔かれていたんだな」とか妙に納得。それにまだまだメンバーの体力もある時期なので再結成後のヘロヘロバンドと比較すると数段生き生きとした演奏と歌が聴ける。歴史のひとコマという感じで楽しめる程バンドも自分も歳をとった・・・

 地雷と判っていながら敢えてチャレンジしてやっぱり地雷だったという口に入るもの、筆頭で思い出すのは86年頃一瞬存在して瞬間消えた「焼き芋ドリンクIMO」

知った瞬間「絶対美味しいはずない!でも飲まずにはいられない!」と思ったが売って無い。コンビニでバイトしていた友人から、昨日店に入ったよと伝えられ走って買いにいった。飲んだ。やはり美味しくない・・でも体験に価値があるのだと満足したあの頃。

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カゴメ IMO.コンダク(濁り)、クリア、タンサンの3種類 1986年発売、すぐに終売した

あーでも今再販されてもあれはもう飲みたく無いな。