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マンプク宮殿24 Starless in 金沢

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 2018年もそろそろ終わり。今年後半は自分が中学生の頃に出会い、多大な影響を受けたバンドが連続して来日し、最近滅多に行かなくなった洋楽のコンサートに足を運ぶ事が多かった。
 お前も音楽活動も終活しろというお告げか?などと思いつつ、10月に代官山でTHIS HEAT(THIS IS NOT THIS HEATなる捻くれた名前に改名していたが)。そして今年を締めくくる大イベントは12月のKING CRIMSON。
 彼等は何回も来日しているが、最後に観たのは1996年。20年以上のブランクを経て観る事になる。今回は全15公演!東京7公演、大阪2公演、札幌、仙台、金沢、広島、福岡、名古屋と最早ベンチャーズ状態だが、今年夏に行った金沢で飲み屋街の方々に告知ポスターが貼ってあるのを見て感慨深かった事と、その時入ったプログレ割烹料理屋(?)が余りに美味だった事もあり、店を去る時に「次はクリムゾンの時又来ます!」と宣言した手前、わざわざ金沢まで行って観る事になった。

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‘96年は「ダブルトリオ」とか名乗りギター×2ドラム×2 ベース系×2の6人編成だったが今回は更に人数増えて8人編成、ドラム×3 ギター×2 ベース1 管楽器1 キーボード1、ステージの前面にはドラムが3台並び、通常フロントに居るメンバーが後ろに居るという何とも不思議なステージ。これは前回(2015年)来日時の映像が収録されたBlu-rayで既に観ているのだが実際並んでいる機材を見るとやはり奇妙。

 今回は公演直前に各日60名抽選で開場前に先行入場の上、リーダーの御爺さん(72歳)
ロバートフリップの御説法を聞き、その後、マネージャー&ランダムにメンバー1人が出てきて質疑応答コーナーがあるというイベントがあり、応募したら夫婦共々当選したので会場に16時半に到着の上先行入場。フリップ翁の話はゆっくりと綺麗な発音で喋ってくれるのでかなり聞きとり易いが、通訳さんは固有名詞や彼独特の言い回しのニュアンスが判らず四苦八苦(参加者から訳の補足もされていた)しているのが可哀想だった。クリムゾン好きで過去インタビューまで目を通している通訳さんなぞ探すのは至難の業だろうから仕方ないとは思うが。20分程の講話後はドラムのパット・マステロット氏が出てきて質疑応答、かなり重い質問が出てきて(質問者も英語で質問していて通訳さん出番無し・・・)時間を取ったのか数問でタイムオーバー 時計を見ると17:50。開場まで10分だ。
 
 入場時のお客さんを見るに殆どは男、それも壮年~中年、一部前期高齢者含むという感じだ。客の平均年齢考えると私ですら平均値より下であろうことが容易に判る。開演10分前に後ろを振り返るとPA宅の後ろの席は殆ど空席。ここは最後まで埋まらなかったので6分程の入り。1.000人入っていたかどうか・・・こんなガラガラの客席を見てメンバー気を悪くしないかなと思ったが、実際の演奏が始まるとそれは杞憂に過ぎなかった。

 途中休憩20分挟んでほぼ3時間の公演。若いころの演奏と比べるとスピード感や荒々しさは失われたが、精緻な上、重量感のある演奏はまた違った魅力があった。同時代のバンドが、昔の有名曲をヨボヨボな演奏&声も出なくなっているのを誤魔化すためマイクを客席向けてサビを歌わせている姿とは雲泥の差。たとえやっている曲は過去の有名曲が殆どだとしても「あー、ここはこうじゃないんだよな・・・」とガッカリする事が殆ど無かったのは驚異的だった。アンコールで「Starless」のイントロが流れた時、3時間近く経っているのに「え!もう終わり?」と思った位没入出来たコンサートなぞ今まで殆ど無い。

 終演後、会場外は小雨模様、空は曇天で当然星も見えない。「Starless in 金沢」と呟きつつ街へ降りる。お目当てのプログレ割烹料理屋さんは店長さんがこの公演に来ている為お休みだった。しかし、何回予約申し込んでも埋まっていた別の候補店、客の入れ替わり時間かもと思い駄目元で行ってみたらビンゴ!かなり空いている所に入店でき(その後またすぐ客が大勢きて埋まった)冬の北陸の味を堪能。翌日はお目当ての喫茶店に行き、更に純喫茶なる時代を超越したお店(昔、五木寛之が通っていた店らしい)にも偶然入れて奇跡的に全てが上手く廻った2日間だった。

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いたる本店 何食べても美味しかったです

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いたる名物、日本海おさしみおけ盛り  小おけ(二人前)

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confusion will be my epitaph

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岸 看板猫のあやめ君(左、2歳)とチロちゃん(右、16歳)

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純喫茶ローレンス 店内も凄かったが一番凄かったのは店主マダム・ローレンス(68)


 良い音楽と美味い酒と飯を家族で楽しめた。これから先、こんな良い日が何日あるんだろう・・・とやや感傷的になりつつ、とりあえず2018年は良い年だったのだろう。