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マンプク宮殿30-1 LET ENGLAND SHAKE #1

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LET ENGLAND SHAKE-1

 前行ったのは30年前。昨年11月、妻の勤続30周年報償休暇に併せてブレグジット&総選挙でドタバタのイギリスへ行ってきた。前回渡英からあまりに年月が経っている上、若人だった頃と中年真っ盛りの今行くのではどう変わっているのやら。期待半分、恐れ半分。いや最初は期待4.5 恐れ5.5位だったかも。


 土曜朝、羽田へ向かう。国際線飛行機に乗る事自体20年振り。出国手続きはあっけなく終了したが、これから向かう地まで11時間は機内で座っていなくてはいけない。前回渡英時は当時の安旅ルートの定番、旧ソ連のアエロフロート。とにかくシートが狭い、機内食は謎めいたものばかり(酸っぱいパンを食べて本気で腐っていると思った)途中モスクワ空港内で一泊しなくてはならず、私は友人と行ったので彼と同室に泊れたが一人で来ていた人は容赦なく他人と二人一組で部屋割り当て、そこに行くまでのバスがまるで囚人護送車(窓に金網が貼ってある)という強烈な経験があるのでやや憂欝だった。が、乗ってみればシートも新幹線位の広さはあるし、全席にTVモニタ完備で映画やテレビ番組が観れるようになっているとは。浦島太郎状態でプログラムをチエックしたが結局観たのはNHKニュースと「孤独のグルメ」だけでウトウト・・・
 到着3時間程前に目覚めると北欧上空。そこからは機外カメラの映像を眺めつつ食事をしてコーヒーを飲んでいるうちにヒースロー着。入国審査は色々英語で質問されるんだよな・・・英語なんて話すのは何年ぶりだ?通じるのか?と煩悶していたが自動扉の前にパスポート読み取り機とモニタ兼カメラがあり、そこでパスポート出して写真撮られるだけで扉オープン。「え?これで外出て良いの?」あまりに呆気なく入国終了。(帰国時の出国審査の方が厳しかったがこれは後述)

 当日の宿泊先へ向かう為、ヒースローエクスプレスなる特急電車に乗り、パディントン駅着。ここまでは順調だったがそこから先、ホテル最寄駅に向かう地下鉄が全く来ない。土曜だから本数少ないのか?とも考えたがそもそもそちら方面へ行く車両案内が電光掲示板に全く出てこない・・・途方に暮れて駅構内を歩き回っていると張り紙に「今日は終日運休」と出ている、理由は書いていない。初っ端からこれかよ!スーツケースを抱え、呪いの言葉を吐きながらタクシー乗り場へ。付いて早々散財だ。

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①「11/16-17全線運休」補修工事などで運休の多いロンドン地下鉄でも、間引き運転などでなはく全線運休は珍しい(Humble Mumbleでお馴染みのピーター・ホールさん談) ②部屋の窓から見える風景。風景といっていいのか ③ホテル猫、ジジ。だいたいラウンジにいるが、いきなり玄関前ど真ん中に鎮座していることもあった。超おっとり系だが抱っこNG

 ユーストン駅近くへ投宿、ロンドン中央部なのに値段もまあまあ安く、食事も良い。そして猫と犬がいる。という理由で選んだ宿だが建物はそれなりの年季物、部屋が半地下の所を割り当てられたのだがエレベーターは当然無い上、急傾斜&狭い階段をスーツケース抱えて降りるのは相当キツい。部屋の窓から見えるのは地上に上がる階段と半分から上の部分にある歩道を歩く人の足。ベッドは学生寮にあるような質素な木製。(こいつは就寝中に真価を発揮する)まあ、そんな豪華な設備等期待していなかったが問題は冷蔵庫が無い事。これではビールやサイダー買ってきても冷やせない、買ったらすぐ呑め!か、上等だ!という事で夕飯取る為に外出。フロントに居た犬に吠えられ、ラウンジに居た猫と遊んでから街へ。

 学生街的な所で古本屋、パブ、テイクアウト店、オフライセンスショップ(日本の酒屋みたいな店)が沢山ある、歩いてる人も若者が多い感じ。長旅の後であまり食欲もなかったし、パブはどこも満員で入る余地なさそうなので外食はやめて何かテイクアウトで買って部屋で食べようという事に。ホテルのすぐ傍にフイッシュ&チップスの店があったので入店。メニューを見るとフライする魚の種類が色々あり(タラが代表的だがサーモンやヒラメなんかもあった)量もフルとハーフがある。当然フルサイズでしょ!と頼もうとしたが妻が必死で止める。映画ブレードランナー冒頭の屋台のオヤジか!と思ったが彼女の判断は正しかった。デッカード刑事のように我を通してフル頼んでたら大変な事になっていた。日本の感覚でハーフと行ったら精々10センチ程度かと思っていたが、20センチ位の巨大なフイッシュフライが。そこにポテトがマックならLサイズ3つ分位の分量で付いてくる。更に食べた事の無いフイッシュケーキなるものを興味本位で頼んでいたので2人がかりでも食べきれるかどうか・・・あまりのボリュームに慄きながら飲み物を買う為酒屋へ。

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①スモールサイズのフィッシュ&チップスとフィッシュケーキ。特にフィッシュケーキは帰国後ジェントルマンが自作する程のお気に入りに ②来て早々路上でラッパ飲み

 見たことのないビールやサイダー(日本で言うシードルです、林檎の発泡酒)が選り取り見取り。ビールは初日なので少しは馴染みのあるステラアルトワ(ベルギービールですがイギリスで人気らしくどこへ行っても必ず売っている)購入、シードルは見た目で気になるものを数本購入。中にジャックダニエルのサイダーというのがありこれだけ瓶。栓抜き必要と思い、会計時店員さんに瓶を見せつつ栓抜き欲しいと伝えたところ。「OK!」と返事されその場で瓶の栓を開けられた。最早ここで呑むしかない。店前の歩道で立飲み。渡英初日にいきなり街を彷徨うアル中おっちゃん状態。そしてこれは単純なサイダーでは無くジャックダニエルウィスキーをサイダーで割ったものだった。いきなりアルコール強い・・酔う・・・。

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①初日に買ったビールとサイダー。これよりジェントルマンは毎日ロング缶4本宅飲みが日課に ②フィッシュ&チップス屋さんの袋と ③一夜明けてホテル前で。クレセントという18世紀英国ジョージアン様式の三日月形テラスハウス(長屋)がそれぞれホテルとして利用されている

 ややヘベレケ状態で部屋に戻り、テーブルの上に買ってきた食物を広げると見事に黄色&茶色のハーモニー。20歳程若ければ余裕で完食だがこの歳では油悪かったら死ぬる。と思ったが意外とペロっと食べることが出来た。特に初体験のフイッシュケーキが美味。ビールが進みそうな味だが今日は買ったビールは1本のみ、あとはサイダー飲みながら食べたが、最後ポテトを食べきるのがそうとう大変だったので本当フライはフルサイズじゃなくて良かった。
 あとで調べたらかなり評判の良いフイッシュ&チップス屋だったらしく、横にレストランも併設されており、そこでは御高齢の集団が元気に揚げ物パーティーをやっていた。

 お腹パンパン&酔い&疲れで早々と就寝。のつもりだったが私の寝たベッドは少しでも寝がえりをうつとベッド自体が横転するという恐ろしい代物だった。数回デングリ返ってから諦め、ベッドを壁に立てかけ、マットレスを床に敷いて寝る事に・・・
 明日もここへ泊る、明日は日帰りでノーサンプトンへ(続く)