LPT annex

whatever LPT consists of

マンプク宮殿30-3 LET ENGLAND SHAKE #3

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 3日目。旅行日程の1/3を消化。これまでは週末だったがここからは平日、日本でも会社は業務が始まる。時差マイナス9時間、日本の朝10時はこちらでは深夜1時。不在中はなるべくメールを控えてくれとはお願いしたが、一応1時に目覚ましセットしてPC開くと普通に届いている業務依頼メール。まあ会社は営業中のところ無理言って有休とったのだから仕方無い。しかし時差が厳しいな。最低限の業務遂行可能な資料とファイルを詰め込んだノートパソコンを持ちこんでいたので2時間ほど仕事してから二度寝。今後平日はこれが通常運転状態となる。とはいえこちらの昼の時間帯が日本は深夜になる為、活動時間帯にメールチエックする必要が無くなるのは僥倖か。常に眠いのは仕方ない。

 

 2日間お世話になった宿とは今朝でお別れ。早朝出発の為ホテル朝食はとれず。フロントの方に挨拶した後、猫もいるかと探したが不在。残念。

 日が上がりきらない中、重いスーツケースを引き摺りながら地下鉄駅へ向かう。日本並みの通勤ラッシュを覚悟していたがそれほどでも無かったのは幸い。スーツケースを車内に持ち込んでも迷惑にはならない位の混み方でウオータールー駅へ。やはりキンクスの曲が頭の中に流れる。

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①ウォータールー駅。要所への始発駅で、列車が入場するまでホームに入れない ②ボーマンスの宿。駅周辺は民家サイズのホテルがびっしり。似たり寄ったりの面立ちに、このホテルも「うちは〇〇ホテルではありません、違う!」と張り紙が。常に隣のホテルと間違えて客が入ってくるようだった

 今日の目的地はイギリス南部、対岸にフランスを望む港町ボーンマス。夏は観光客で賑わう綺麗な砂浜が売りのリゾート地。だが今は冬だ。それに我が家二人とも海は苦手なのに何故ここへ来たかというと近隣にボービントン戦車博物館という世界的に屈指の規模の古今東西戦車を集めた施設を訪れる為。小学校時代、タミヤ模型のミリタリーミニチュアシリーズに熱中していた頃から名前だけは知っていた所、(タミヤ模型が寄付して作られたタミヤホールという建物もあった)実際の最寄駅はWOOLという小さい駅で、そこからタクシーで行く事になるが、タクシーが駅前に居る保証は無いという情報を事前に仕入れていたので近場で一番大きい街であるボーンマスで宿をおさえ、そこからタクシーで向かう予定をたてた次第。KING CRIMSONの結成時メンバーの出身地(確かTEARS FOR FEARSの人達もここらへん)でもあるが当然ながら街で会うわけも無く、そもそも今は住んでないだろう。駅前に宮殿のジャケ親父のモニュメントでもあれば少しは盛り上がるが。

 こじんまりしたホテルへ投宿。従業員の方も感じが良く、部屋も窓開ければ目の前に庭が広がっているという夏に来たらさぞ気持ちいいだろうと思わせる部屋。だが、今は冬だ。宿泊者も私たちしか居なかったみたい・・・そしてここも冷蔵庫は無い。

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 一息ついてから駅へ向かいタクシーをピックアップ。今日は輩風の兄ちゃんだ。「途中で給油するけど良いか?」と聞かれてOKしたものの給油中もメーター廻りっぱなし。結局6.000円近くかけて向かう破目に。そしてあまりにも敷地が広すぎてどこが入口だかよく判らない・・・適当なとこで降りたら入口まで10分以上歩く事になった。幸い晴天で気温も高めだった為、散歩には丁度良いと歩いて行ったが鼻を突く異臭が漂ってくる。これは子供の頃によく嗅いだ匂い・・・実家の方の祭り、「チャグチャグ馬コ」の時に良く嗅いだやつだ・・・道を調べると泥のように見えた塊は全て馬糞。何故?と思ったが敷地内で馬が沢山飼育されているのを発見。外を散歩兼ねて歩かせているのか、しかし何故糞を放置?そして車道後方からは盛大な騒音をたてながら装甲車が迫ってくる。臭気と騒音に追い立てられるようにして入口ゲートをくぐった。 

 敷地内緑地にも砲撃で破壊されたマチルダⅠとかセンチュリオン等が無造作に置かれている。事前にオンラインチケット発券していたのですんなりと展示場内へ(このチケットは1回入場のみ有効ではなく、買ってから1年間は有効で何回も入れるみたいだが流石に1年以内に再訪の予定無し)入ってすぐ、二次大戦中の日本戦車95式が置いてあった、ビルマ戦線あたりで鹵獲されたものだろうか。他にも子供の頃模型で作った戦車が沢山展示されており御満悦。写真撮ったり車両の前後左右を眺めまくったり一人で盛り上がっていたが妻は途中でギブアップ。興味無い方には地味な色をした鉄の塊にしか見えないし申し訳ない事をした。二次大戦中の戦車は殆ど観る事ができ、残りはあまり興味の無い大戦後の車両だったのでさっさと済ませて食堂へ。小学生位の子供たちが学校の授業の一環らしく、集団で来て車両囲んで何かレポートを書いていたのが興味深かった。マシンガン試射コーナーが彼等に占拠されていて体験出来なかったのは無念ではあったが。

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①95式軽戦車②Tiger1。映画「フューリー(B・ピット主演)」にて実際の撮影に使われた。

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 学食みたいな食堂ではテイガーⅠという戦車がラベルに描かれている「Tiger Beer」なるものを飲みつつ軽くすます(空き瓶は記念にいただいてきました。)。その後グッズ売り場へ行きトートバッグやトランプ等を土産品で購入。戦車がプリントされたトランクスが売っており「注意!砲身が不意に上がる事があります!」とか標語もプリントされて楽しいが値段が2.000円以上もしたので却下。タミヤの模型も並みの模型屋を軽く上回る品揃えだったが値段は日本の1.5倍。まあ輸入品だし仕方なし。 

 帰路は往路で散財した上、まだ日も陰っていなかったので徒歩でWOOL駅まで向かう事にした。約30分の行程だが本当の田舎道、店も無い、家も無い、人も歩いていない、当然自販機等も無い。高低差は無いので歩く事自体は楽だったが、街灯も殆ど無いのであと1時間遅かったら相当心細い道中だっただろう。駅まであと10分というあたりでようやく家があり牛が放牧されているような場所に着いた。夕焼け時にさしかかり、ゆるやかな川も流れており、煙突があるクラシカルな家と川辺の風景が綺麗なコントラストで絶景だった。歩いた甲斐があるというもの。そして駅へ到着したが駅前でも何も無い。道中店らしきものを観たのはパブ風の食堂を一軒のみ。駅は無人で改札も無くスルーで入場出来るがトイレも閉鎖されている。30分の道中で尿意や便意に襲われていたらここで悶絶する事になったはず・・・ビール1本で済ませておいて良かった・・・異国の地で野糞というのも風情があったか?いやない!

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田園風景。こういう場所は通常車で通過し、列車からも見えないので、歩くことで出会えた奇跡のような美しさでした

 夕刻にボーンマスへ帰還。駅前にある巨大激安スーパーASDAを覗いてみる。確かに安い。ビール500缶4缶パックで500円。妻はバナナの安さに感動して買い込んでいた。生鮮品、飲料、ショップオリジナル商品はとにかく激安。イギリスは外食が高いが中食で済ませようとするなら安いのだなと実感。そして店内は日本で言うとヤンキー風の若者が多い、冬なのに臍出してフェイクファー羽織っている娘さんとかパーカー深く被って顔隠している兄ちゃんとか。気候温暖で仕事無い地方はヤンキー発生率高し!という私の持論はより強化される事になった。 

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 本当は宿着後、落ち着いたら外へ夕飯を取りに行く予定だったが、二人とも長距離歩いた疲れでギブアップ。妻は外に出る気力も無いと言うので単身宿から出て近所のニューススタンドへ向かう、適当にブリトーやカップ麺、ビール等を買い込んで食べたがブリトー不味し。疲れと不味さで食欲も無くなり早々に就寝。しかし私は1時に起きて仕事しなくてはいけない訳で・・・起きてやはり来ている出荷依頼のメールを処理していたら小腹が空いてきた。買い込んだビールを呷りつつカップ麺を食べてみたがこれがブリトーを上回る不味さで仰天、麺ボソボソ、スープにコクというものが絶無、コクと言う概念が最初から存在しないような味。空腹埋めるためビール三缶腹に放り込んで再度就寝、腹が納得していない・・・朝飯まともなら良いなあ・・・と祈りつつ4日目へ。