ヴァージン移籍後のプロモビデオと'82年の解散ライブを収録した、アーカイブとしても秀逸なＤＶＤ作品です。同タイトルのＣＤも同時発売されます。輸入盤が既に店頭に並んでいるので、お先に入手しました。ルックスバンドの評価が強いですが、改めて聞くと結構リズム部分がスクエアながらも骨太で、海外ではミュージシャンのファンが多いのもなるほど頷けます。
バンド名は「日本」ですが、締めくくりはＹＭＯファミリーの悪影響を受けすぎたのか、何故かかなり間違った中華テイストに染まっており、昔台北の街角で見た「札幌とんこつラーメン」くらい微妙な気分になります。当時Ｄ・シルヴィアンが好きでしたが、今見ると、この人ホントに当時せいぜい24.5歳だったのかと思うくらい、あまりにおばさん臭くて顔もでかくてびっくりです。一方、今はジャズ界で活躍するＭ・カーンの、滑車で平行移動するからくり人形のようなステージアクトから目が離せません。異能のベーシストとして、おかしさを上回るカッコよさに、文句なし脱帽です。（EMIミュージック・ジャパン CD/VJCP-68568 DVD/TOBW3229）
Apr. 2006
追記 Jul. 2015
異能のベーシスト、ミック・カーンですが、ジャパン以後あふれる才能を発揮する場が余りなかった上、晩年は進行性がんを患い、困窮の末亡くなる数ヶ月前に自身の公式ウェブサイトで治療費のためファンドを立ち上げたり、ミッジ・ユーロや土屋正巳など昵懇のミュージシャン仲間がサポートライヴを行うなど懸命な生きる努力や周囲の支援にも拘らず、2011年1月、惜しくもロンドンの自宅にて52歳で亡くなりました。諸行無常。
