「誤出荷、誤手配、誤発注」
自分で言うのもなんだが、私は瞬発力に欠け、注意力が散漫である。加えて「ぼんやり」と「きりきり」が同時進行している性格のため、ど忘れ系の失敗は少ないのだが、「急いては事を仕損じる」の理どおり、公私共に慌てると失敗することが多い。中でも、私生活におけるネット通販での手配違いが後を絶たない。自分ではちゃんと注文したつもりなのに、とんでもない商品が、とんでもない場所に届く。
数年前、家の近所で子猫を拾い、家がペット禁止な為、広い一軒屋に住んでいる高校時代の友人に、里親を持ちかけたところ快諾してくれて、子猫のワクチン接種が終わってから連れて行った。子猫は最初新しい家族や先住猫を怖がり、涙を流しながら主人に抱きついて離れなかったが、私達も泣く泣く別れを告げ、家に帰ってからも暫く２人で泣いていた。数日後、それまで大変怖がっていた先住猫とすっかり仲良くなり、お兄さん猫を追掛け回し、今では夜も一緒に寝ているとの連絡をもらい、一安心した。そこで、友人にお礼の意味で、通販で大量のキャットフードを手配した。送料も無料だ。
翌日の夜、彼女から電話がかかってきた。
「あのう…代金引換でキャットフードが届いたけど、払って受取ったよ…」
顔から火が出る思いで平謝りし、今度は本当に商品だけが届くよう、再度同じだけ送ったが、細かい事は余り気にしない呑気な友人だったから良かったものの、これが神経質な人だったら、確実に友情にひびが入っていたと思う。
その他にも、明日沢山客人が来るので使い捨て食器を用意しようと、明日来るのがウリの通販で紙皿や紙コップを注文したところ、会社宛に送ってしまい、本番には全く役に立たず、翌日出勤した際に「お届け物です」と、どデカいダンボールを総務から受取った時も恥ずかしかった。つい今週も、中華食材を各種まとめ買いした中で、良く食べるキクラゲを４袋注文したつもりが、握りこぶし大の塊が２個入ったザーサイが４袋も来てしまい、買置きがすでに２袋あるため、現在うちのザーサイは６袋になってしまった。普通の家に、ザーサイはまず６袋もないと思う。
そういえば、貿易事務をやっていた頃、シンガポール向輸出手配をしたつもりがマレーシアに行ってしまい、現地から陸路で転送してもらうという、国をまたいだ誤出荷をやった事もある。現時点で最大にして最悪の誤出荷だ。
誤手配で迷惑するのは自分だけに留めたいものだ。この場を借りて、各地でご迷惑をおかけした有縁無縁の皆さんに、心からお詫び申し上げたい。
