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episode 0903 : The trial lesson : one

「体験入門(前編)」

 最近、とみに体が重く感じるようになってきた。実際、体は重くなってきている。悪い事に、徐々に体力も落ちてきて、週末は疲れて起きれない日も出てきた。
そこで、近所のジムへ無料体験入門をしてみた。最近都心で増えている、プールやシャワー室、ラウンジ等はないが、安い会費でマシンとステッパーを組合せたサーキットトレーニングを指導するスタジオだ。シャワー室がないので運動終了後は即刻帰宅し、家でシャワーを浴びる事になるし、近所なので帰りに寄り道してバカ食い、運動効果を相殺する危険もない。実際に体験トレーニングをしてみたら割と平気だったし、何より客が中高年中心。無理はさせないだろうし、個人プログラムを組んでくれるとの事、とりあえず3ヶ月やってみる事にした。

 そして初日、「さあ、張り切っていきましょう!!」とガッツポーズで店長は待っていた。一台一台張り付いて、力の入れ方やポーズのとり方を丁寧に指導してくれるのだが、どう考えても負荷がきつい。「最初の1ラウンドは、最後の1回がどうしても上がらない位、負荷をかけないと効かないんです」とはいえ、何年も運動らしい運動をしていない私に、40kg、50kgのウェイトを乗せていくのは如何だろう。マシンが一通り終わったら「次はステアマスター(階段昇降)にいきましょう」と、有酸素運動系マシンでも最もきついステアマスターのレベル3、10分をスタート。最初の2分位は何とかなったが徐々に負荷がきつくなり、ステップを踏めなくなっていった。他のマシンでは、中年の女性が10kg位の負荷で楽々楽しそうにトレーニングをしている。あの位にしてくれないかなあ…随分、体力落ちたなあ…遠くからよたつく私を見ていた別のスタッフがレベルを見た途端、

 「…店長、きっついよお」

その声が、遥か彼方の海の底から聞こえるや、私はへたり込んでしまった。「酸欠ですね、大丈夫です」端っこで深呼吸をする事5分、そこで打切りにはならず、再びサーキットを一回り行い、その日は帰宅した。生まれて初めて酸欠を体験した私を「自己レベルより上を目指さないと向上はないんです。頑張りましょう!!」とガッツポーズで見送った。その笑顔に応えるガッツは、その日の私には残っていなかった。

 果たして私は続けていけるのか?本当に私の体力低下だけが原因か?店長の狙いは何だ?現在絶賛進行形の次回後編、乞うご期待!!

Mar. 2009