以前紹介したJ・フォックス在籍時の作品です。1978年発表後脱退しましたが、私は彼がいた頃の、パンクの終焉とテクノの黎明がないまぜで、情熱的でいてどこか傍観している空気感が好きで、中でもこの作品は、今聴いても少年が少年でなくなっていく狭間みたいな衝動と静観に溢れていて「さらわれて」しまいます。実際この当時のジョン・フォックスは、映像で見ても自分を御しきれない危うい感じで、踊りまくるガラスの自動人形のようです。You Tubeあたりで是非確認してください。(ユニバーサルインターナショナル、UICY-93075)
Sep. 2006
補足 Aug. 2016
企業コラムでこのアルバムをお奨めしてすでに10年も経っている事に驚きましたが、どんなにシャウトしてもどこか涼し気なジョン・フォックスの声が、夏の疲れを癒します。涼し気な美声…どんなに音程があやしくても、そこはエレポップの神様ですから、まわりが合わせればよい事です。それはこの後2008年の再来日で、当時デュオを組んでいたルイ・ゴードンが全部危ないところを歌っていたという事実で大きく実証してくれました。フォックス先生も70を過ぎて、今年は突然ゲイリー・ニューマンとコラボしたり、そろそろやり残しの無いように色々ほうぼうにアクセスしてるのかな…と、昨年から次々にロック・アイコンが天に召されているこのご時世、微妙に心配です。先生、いつまでもお元気で。