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Humble Mumble その28:バーフバリ 王の凱旋(India, 2017)

唐突ですが、お釈迦さまは実在の人物で徳を積んでは何度も生まれ変わり、満を持してその昔、インドエリアの釈迦族の王子として誕生するも、人間につきまとう老、病,死,苦の元を解明すべくすべてを捨てて,難行苦行の末悟りを開かれブッダ(すべてを悟った人を言う)になり、人類に光明をもたらした...私の知識ではこの程度しか説明できないが、釈迦族の王子っていったいどんな生活よ...と下世話な思いもわいてくる。

見てしまった。世界で300億稼いだという、もう、みなさん、とっくにお馴染みの「バーフバリ1&2」計5時間の前後編!前から、折に触れタヌが「バーフバリ、面白いらしいよ!」と鼻息荒く言っていたものの、マンガ版まである、暑苦しいボリウッド映画はちょっとな~、「スラムドッグ・ミリオネアは好きだったな!」と言うと、「あれはハリウッド映画だよ!」と間髪入れず訂正された。

バーフバリ2 王の凱旋 [DVD]

いやはや、長い!前編のThe Beginningと後編、The Conclusionは1本で2時間半位でまとまったのではと思うくらい。しかしインドの熱い血がそれを許さなかったのだろう。回想シーンも流すぎて集中力必須。簡単に言うと、王族間の3世代に渡る王座を巡る争いなのだが、分かりやすい勧善懲悪。バーフバリ、カッコイイに決まってる!踊りや歌は絶対はずせない。ぜんぶてんこ盛りにしないと!豪華絢爛な衣装も音楽も大変よくできている。言語が耳慣れないインドの原語なので、こればかりは字幕が頼りだ。凄いんです、翻訳家さん。26年に一度、悪魔祓いのため国母シヴァガミが頭に火鉢を乗せて、シヴァ神の神殿まで決して歩を止めず、火鉢の火を届ける荒行。この時代の宗教事情を把握してないと絶対でてこないであろう、パーフェクトな対訳!「シヴァ神殿を三週すれば結願する!」「発願は成就する!」「血脈に流れる業による負債」「今生でこの罪を贖えましょうか」「この因縁は続く!」
また、音楽も重要な役目を背負っていて、今まさに起きていること、これからこうなっちゃうんですよ、って内容を歌詞で都度都度、教えてくれて親切。音響効果も一歩も手を抜かない。
エーッシャ、ウッギャッサー、バフバフバーフバーリ~~~~!バーーーーッッッ!
荒ぶる神よ、シヴァ神よ!バーフの動きも超人的で、CGとかでやりすぎは当然なんだけど、様式美があるというか、敵にとどめを刺す時は、相手の顔を見ずに、「諸行無常~!!!!」と言わんばかりに剣を振り下ろす。習字の止め,撥ね、払い的アクション、鍛え抜かれた美しい体に、揺れる絹の装束に、クラクラくる場面も何度も!インドの女優さんも綺麗!
お釈迦様の時代も、王族はこんな御殿に住んでて、素晴らしい衣装に身を包み...大国、小国の力関係、他国からの襲撃。バッタバッタ、ぶっ殺していく!正義のためなら、国を守るためなら、なんぼ殺してもええねん!! なんか、書物でしか馴染みのないお釈迦様をだぶらせると、3Dイメージ沸いて、ものすごく勉強になりました。お釈迦様はブッダになったけど、最終的に釈迦族は他国に殲滅されてしまうし...こんな映画の中のような殺戮が繰り広げられたのだろうか。人間てなぁ..

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私もこの映画では国母シヴァガミ様が一番好きです(タヌ)

1のBeginningは歌、踊り、暑い国なのに、色々逃げてて唐突に大雪のシーンでボブスレーもどきとか、ラブラブ妄想舞踏シーンとか、サービス満々で濃すぎるんだけど、重要な鍵を握っている最強奴隷戦士、カッタパの最後の衝撃的告白で、2も見ねば収まらない。後編のほうがテンポもよく、ダントツ面白い。結局夜中に5時間ぶっ通しで見てしまい、翌日白目が出血!恐るべしインド映画!
どんなに凄いかは語り切れないけど、一番好きなシーン、政治を司る国母シヴァガミが命令を下す時、必ず「この宣誓を法と心得よ!」と目をむいて言い放つところ! いいから見て見て!王を称えよ、さらに称えよ!!!!バーーーーーッ