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ハンブル・サーバントの独り言 Humble Mumble2 フル・モンティ

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昨今、介護問題は避けて通れない。今、イギリスの古い友達が母親の介護に直面している。
独身の彼は介護に専念するため10月で退職した。幸い、妹夫婦とも連携プレーを取っていて時折近況をメールしてくれる。エリザベス女王にそっくりで、自分の亡き母と同い年。昔、遊びに行った時は帰りにお弁当まで持たせてくれた。私自身、超ヘビーな両親の介護の経験があるし、IVYは「イギリスでもう一度会いたい人トップ3」のトップに常に君臨してる人なので、初めてそんな内容のメールをもらった時は複雑だった。
私自身介護中、IVYが手紙で、「大変だけど、両親は幸せよ。娘さんたちに愛されてるのがよくわかる。イギリスでも介護はとにかくお金がかかるけど、体に気をつけてね!」と励ましてくれた。
なぜ、「フル・モンティ」なのか。これは寂れた鉄鋼の町、シェフィールドが舞台で、失業年金を貰ってる冴えない男たちが、一念発起してメンバーを募り、しがらみに揉まれながらも男性ストリップ・ライブでお金を稼ぎ自信をつけてゆく、みたいな破天荒な内容だ。すでにミュージカルにまでなっている。
主演のロバート・カーライルは今や米ABCテレビの連続ファンタジー・ドラマOnce Upon A Timeの大重要人物を怪演するシブイおやじになってくれている。ストリッパーの中のひとり、歌も踊りもイマイチだけど一番「モノ」が大きい役を演じた俳優さんも消えずに、英国ドラマなどで重鎮役などをこなしている。メンバーの中でただひとり、公務員かなんかで職場の楽団に入ってる男性。母親と二人暮らし。地味で孤独で、イギリスによくいる赤毛の家畜系の顔立ち。もう死のうと思ってたところを救われ、仲間になる。彼が介護中だったのだ。欧米は割り切ってて、親の介護なんかしないよな~なんて、若い時は思っていたが、映画の中ではあまりのリアルさに筋書無視で、その場面になると泣いた。
セミ・デタッチド系の暗い小さな家に彼が帰ってくると、「どこに行ってたの?もう帰ってこないかと思った」とよろよろと階段から降りてくる母親。「どこにもいかないよ」と母を抱えて必死に二階にあがる息子。イギリスの一般的な、まあ、ワーキング系でなくても2階建ての家はなぜか風呂、トイレが2階にある。水の出も悪い。映画の一場面だが、連日の彼の心境を思うと辛かった。
結局、母親は他界し「モノ」の大きな彼が映画の行きがかり上、彼のホモダチになってしまうのだが(映画やな~)、実際の俳優さんたちがなんか照れながら、ディスコナンバーに合わせて11枚脱いでいき、スッポンポンになるラストに救われる忘れられない映画のひとつだ。まあ、客は全員女性で下品下品!訛ってて何言ってるかわかんないけど、下品!
Anyway, hang in there Peter! May the forth be with you!!!!
 
フル・モンティ (字幕版)