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マンプク宮殿16 好きではないけど懐かしい2

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 前回はプログレ系に偏っていたが、80年代前半の中高生時は普通にヒットした作品も良く聴いていた。友人との貸し借り、FM放送からのエアチエック。従兄が聴かなくなったアルバムを譲りうけたり・・等々。

 丁度あの時代は70年代に売れていたバンドが音楽性を変えようとして四苦八苦していた時期。あちこちに地雷が埋まっていた・・・・

 

KISS/UNMASKED(邦題:仮面の正体)

仮面の正体

初めて買った洋楽のシングル盤が彼らの「I WAS MADE FOR LOVIN’ YOU」(邦題:ラヴィン・ユー・ベイビー)だった。その流れで収録されていた最新アルバムも買い、従兄から旧作もほとんど貸してもらい「地獄の狂獣」を毎日のように聴いていた頃、ニューアルバムが発売されるという情報が入る。邦題は「仮面の正体」。ついにメンバーが素顔を晒すかも?という事前情報は殆ど興味が無かったが(実際素顔で活動するようになったのはこれより更に後の話だったし)自分の好きなバンドが出す新作は気になる。発売と同時に友人が入手したので彼の家に行き新譜鑑賞会が始まった。

 期待と共に針が下ろされ1曲目が始まる。ん?随分音が綺麗な感じだ。前作よりポップだけどまあ良いかな・・・・と思ったが2曲目、シングルカットもされた「シャンディ」で激怒。「何この甘ったるい曲!ファルセットでsay goodnightとか歌ってんじゃねえ!」友人も悲しそうな顔をしている。私は「こんなもんに2500円も払わなくて良かった・・・」と安堵しつつも怒りが止まらない。その後の曲も殆ど印象に残らず再生終了。

 実際、このアルバムは発売当時の評価も悪くセールスも振るわなかったようだ。後年、KISSのアルバムをCDで揃えた時もこのアルバム以前までしか買わなかった。

その後は何だっけ?「魔界大決戦」とかいうアルバムも出したが興味も無くなり私のテイーンエイジャーKISS時代は終わりを告げた。

 今から10年ほど前、DVDで彼らがオーケストラと共演しオーストラリアでやったライブを観た。件の「シャンディ」を演奏していてビックリ、そして客が大層盛り上がっていたのにも驚いた。どうもかの国では彼らの最大のヒット曲だったらしい。「お前らはこんなもんにうつつ抜かさないでNICK CAVEとかSPK聴いてろ!」とも思ったが昔聴いたときほどは腹も立たないし懐かしかった。アルバム買う事はないけれど。

 

QUEEN/HOT SPACE

Hot Space

このバンドを耳にし始めた頃、どんなバンドなのか見当もつかず困惑した事を覚えている。最初に聴いた曲は「愛と言う名の欲望」ロカビリー?次は「地獄へ道連れ」ファンク?そして「セイブ・ミー」なんか仰々しい・・・・。その後借りて聴いてみたアルバムは「世界に捧ぐ」1曲目 ドラムがドンドンパ!ドンドンパ!と鳴っていて後は歌だけ。PILの「Flowers Of Romance」かと思った。というのは時系列的に嘘だがとにかく曲により色々なスタイルが有り過ぎでどうにも判らない。で、自分で買ったのが「QUEENⅡ」。これは気にいった。ブルース色が希薄なハードロック。B面に行くとやや展開がプログレぽいがそこが好きでB面の方だけを聴いていた頃もあった。そこから他のアルバムを聴き込み何となく概観が見えてきた所で新作が発売された。

ジャケを見た段階で嫌なオーラが漂ってくる。そもそもクィーンのアルバムはジャケットデザインがELPやDEEP PURPLE並みに酷いのが多いのだが。(その3バンドに共通するのは当時英国バンドのデザインで活躍していたヒプノシスを起用した事が一度も無いというところか)それにしても今回は酷さ10倍増しだ!カレーのLEE辛さ20倍増しは許せてもこいつは許せん!というレベル。赤・青・黄・緑に四分割された背景の上にメンバーの顔のイラスト。「後一人女のメンバーが居て背景ピンクだったら秘密戦隊ゴレンジャーだよなこれ。」と思い聴いてみるがジャケの印象を覆すには至らず。シンセストリングの多様、ギターが殆ど聴こえない。ホーンセクションが出て来る。リズムは妙にファンキーと当時自分が嫌いだった要素てんこ盛り。で、曲もつまらない・・・・

 そういうわけでQUEENもこのアルバム以降は全く聴かなくなった。たまにMTVでビデオを観る機会はあったが最早ネタとして笑い飛ばす対象だった。

 フレディ・マーキュリーが亡くなった時も特に感慨は無く、当時CD SHOPに勤務していたので「やー良く売れるなあ。まだこんなに買う人いるのね」という罰あたりな気分でレジに立っていた。

 1年ほど前、機会がありこのアルバムを再度聴く機会があった。そこには妻&妻の姉さんもいた。この義姉、デビュー当時は気合の入ったQUEENファンでQUEENのコンサートに行ったのが原因で浪人する破目になったという伝説を持つ方だがフレディが出歯ヒゲマッチョに変身してからは聴かなくなったという御仁。

 聴いた義姉の「何これ?つまんない!え!クィーンなの!うわー 酷いー」という

一言が我が家の総意だった・・・・今でも駄目だな・・・これは。

 

GENESIS/ABACAB

Abacab

このバンドの事は散々以前も書いているので手短に。フィルコリンズのソロとどこが違うのか判らん。EW&Fのホーンセクション参加と言うのも売りだったように記憶しているがそんなものは当時の自分には悪印象を倍加させるだけ。ジャケが色違いで数種あったがそんなもん意味が無い位適当なデザイン。同時期に出たライブアルバム「THREE SIDE LIVE」は愛聴盤だったし、この後出た「GENESIS」は後期ジェネシスの最高傑作だと思うがこのアルバムだけは未だに聴く気になれない。BOXセット購入した時にこのアルバムも入っていたのだが未開封のまま現在に至る。あと10年後位に覚えていたら聴いてみよう。それまで生きていればだが。