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マンプク宮殿27 1969年という年:世界の音楽編

今回はお題が1969年という事。私は産まれてから僅か数年経過しただけ。当時の世の中を体験するにはまだ小さすぎなのでいきおい追体験でしか語れないが、家にある音源ライブラリから引っ張り出してその時代を騙れと、語れの間違い?いや後追いで尤もらしく何やかんや言うの騙りの要素増えてくるし。

改めて1969年に発売されたアルバムをwikiで調べてみると「ほうほう…なるほど」という感じにはなる。


【イギリス編】

アビイ・ロード (ザ・ビートルズ)
トミー (ザ・フー)
レット・イット・ブリード (ザ・ローリング ストーンズ)
アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡 (キンクス)

イギリスの60年代半ばあたりにデビューしたグループ達、途中でサイケの流行を通過した後にそれにも飽きて他の音楽要素を入れて個性出そうとしてきております。

【アメリカ編】

ウッドストックもこの年ですね(とは言いながらあの映画は一度見たきり、レコードは聴いてない)

ザ・バンド (ザ・バンド)
コズミック・ブルースを歌う (ジャニス・ジョプリン)
ナッシュヴィル・スカイライン (ボブ・ディラン)
ボランティアーズ (ジェファーソン・エアプレイン)

すみません…アメリカ物、上記は一枚たりとも家にありません(昔持っていたり、聴いたことがあるというなら全部経験済みです、ここらへんは無職時代に全部売り払ってるんだよなあ…)

上のアルバム群はどれもセールス的にもそれなりの成功はしてて名盤案内にも出てくるので、爺相手の雑誌「僕たちの昭和なんちゃら」とか「青春なんちゃらメモリー」とかいう反吐の出そうなタイトルのやつに紹介されるのはここらへん。私もある程度の年齢になった後に興味が出て聴いたもの、業務上の必然で聴いたもの等で全く耳にしたことが無いものはないが、自分の血肉になっているものではない。

自分の幼少時代の音楽だけにリアルタイムではないにせよ。自覚的に音楽を聴き始め、どの時代に出ていたのか?など余計な事考えないで浴びるほど聴いていた1969年作品は下記。

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1969年という年だけでなく、ジェントルマンという人が良くわかる作品揃い。これらは完全に彼の血肉髄をなしております

クリムゾン・キングの宮殿 (キング・クリムゾン、写真左上)
イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ (ザ・ストゥージズ、写真右上)
モンスター・ムーヴィー (CAN、写真左下)
トラウト・マスク・レプリカ 
(キャプテン・ビーフハート&ザ・マジック・バンド、写真右下)
ラジオのように (ブリジット・フォンテーヌ)
リージ・アンド・リーフ (フェアポート・コンベンション)

 

細かく言うと 上の3タイトルは中高時代に聴き狂ったアルバム。後の3枚は20歳超えてから出会った作品です。(キャプテン・ビーフハートは高校時代、知り合いの大学生に聴かせてもらったがその時は何が何だか判らず「ジャケ格好いい!」という感想しか出なかった。)

お!よく見ると上の3枚はどれもデビューアルバムだ。どのアルバムもその後に出てくる70-80年代の音の雛形を示したような作品のような。ビーフハートとブリジット・フォンテーヌは比べるもの等無い孤高の作品として屹立している感じ。フェアポート・コンベンションは、英国トラッドと電化フォークの強引な融合が何故かとても耳に心地よかった(歌詞はかなりドロドロな内容なのですが)。

どの作品も60年代の狂熱みたいなものからは少し離れたような音作り。覚めた眼で静かな諦念交じえつつ熱くなっていく形が続く70年代へのプロローグだったように思えます。社会階層固定化への最後の悪あがきだった10年、それを迎えるにあたりまだ角材と思想とで何とかなると思っている純朴さと危なさと愚かさがMIX、煮詰まって無いので多少まだ希望もあるような。

あ、そういえば目下私のいまだに追いかけてるバンド、マグマも結成が1969年です。残念、アルバムは当時まだ出してない! 

 

ライヴ・リマスター・エディション
本年結成50年のマグマは、代表作が上記「マグマ・ライブ」という程、壮絶なライブパフォーマンスでも有名なフランスを代表するバンド。秋にはマンプクライブレポートが読めるかも?!
ちなみにこのマグマ、ライブ等映像作品も豊富。かつてジェントルマンは、来客があり酒をしたたかきこしめすとお客様の好みそっちのけでマグマのCDやDVDをかけ、自分は黄泉の国へと寝落ちするため、マグマがかかると京都でいう所の『ぶぶづけどうどすか』、つまり下校放送に同義と理解され、客人は蜘蛛の子を散らす如く帰るようになった。眠りから覚めたジェントルマンが最初に見るのは誰もいない宴の後。爾来ジェントルマンは宴席でマグマが噴出しないよう、
おもてなしの前にたっぷり聴いておくようになった