LPT annex

whatever LPT consists of

マンプク宮殿28 HIROSAKI AFTER THE NEPUTA

 地球温暖化の影響なのか、加齢による衰えなのか、年々体感厳しさを増す7-8月の猛暑。今年は梅雨が長引いたせいで始まりは遅めだったが、7月後半から雨も降らず延々と晴天と酷暑が続いている。毎年8月の中旬、お盆休みの時期には避暑も兼ね帰省しているがさて今年は避暑になったかと言うと・・・

 8/13に出発。実家へ真っ直ぐ帰らず弘前へ向かう。ここ数年の恒例で実家のある場所を通り過ぎ、新青森駅まで新幹線で直行、奥羽本線に乗り換え30分ほどで弘前へ付く。電車から見える風景は田圃と林檎畑ばかり、遠景には岩木山がそびえ立つ。頭の中では人間椅子の「りんごの泪」が鳴っている。歌詞の中に出て来る「青森発上野行き急行津軽」はとっくに運行停止しており、いまは「つがる」と平仮名になり期間限定で青森⇔秋田間を運行しているらしい。

りんごの泪

 昼少し前に到着した弘前は、夏の大祭「ねぷた祭り」が終了した直後でどことなく宴の後の気だるい感じが漂う。何年か前、タクシーの運転手さんから観光に来たのか?と聞かれ「まあ、そんなもんです」と答えたところ「なんでねぷた終わった後にわざわざ来るのやら・・・」と言われた記憶もあるが、人混みや祭りに出向くのがあまり得意でない我が家にはこれくらいが丁度良い。そして、新幹線が通ってないからなのか、青森県の中で3番目に大きい都市(1位青森、2位八戸)であるにも関わらず街中にチェーン店やコンビニが殆ど見当たらない、幹線道路沿いにはさすがにマクドナルドや吉野屋があるが、街中で夜中にペットボトルのお茶等を買おうと思っても、地方都市でも周りを見渡すと大体見つかるコンビニの看板が全く見当たらない。ドラッグストアがコンビニ的な役割を果たしているらしく、ようやく見つけたドラッグストアの入り口で最初に発見したのが「ねぶた学習帳」というのがまたなんとも。(購入して地元にいる旧友への土産にしました)

f:id:Tanu_LPT:20190827131715j:plain

ねぶた学習帳。4冊セットで1,000円、中身は5mm方眼だが中表紙には各々違う内容のねぶたミニ知識がびっしり掲載、単なる表紙違いで中身同じのつまらんセットでない事に感心

 街中のメイン通りみたいな所を歩くと地場の商店、喫茶店、和菓子屋、飲み屋ばかり目立ち、間々に年季の入った時計屋、乳母車屋(!)八百屋(瓜系のスイカ、メロンが激安)惣菜屋がまとまった市場等がある。高層のビルやマンション等も点在するが全体に低層階の建物が中心、空が広い。

f:id:Tanu_LPT:20190827131732j:plain

街の目抜き通り、土手町。空が広い シャッター締まりまくりなのは、不景気だからではなく弘前の商店がしっかりお盆休みを取っているから

今年はそれに加え昼なのにやたら閉まっている店が目立つ。街の衰退か?と思ったがさにあらず、普段より少し遅い時期に来たのが災いし、どうやら私たちの着いた日がこの地域の御盆最盛期だったらしく、休業、15時で閉店する店、百貨店もこの日のみ18時で閉店と街全体が御盆休業状態の日だった。「それはそれでまた趣が・・・」と思えれば良いのだが問題は夕餉。来る前にあたりをつけていた飲み屋が全てこの日は休業。あわててホテルへ戻り今日やっている店を調べたが、二軒目に行こうと思っていた店は営業中なのが判明したが他は皆目見当がつかず。仕方ないのでホテル近所の店を調べ早めに行ってみると幸いにして営業中なので入ってみた。

 観光客の常で地場の料理を楽しみたいと思っていたが、そういう観点で選んだ店は全て休業中、入った店は日本酒に於いては地酒を揃えていたが食事は特に地元料理を謳っているわけでは無かった、しかし予想に反し大当たり!全て個室なのだが2人なのにかなり広い部屋へ通されゴロ寝も出来そうな空間。出てきた刺身も旨い。それ以外の料理もお店の人が丁寧に説明してくれそれを参考にして選んだものが皆美味しい。地酒を楽しみつつ料理を平らげ大満足で店を出る、値段も超満足で、日本酒を2-3本きこしめてホロ酔い加減で次の店へ。

f:id:Tanu_LPT:20190827131739j:plain

アイリッシュ・パブ店、ドーランズ。ここは在住外国人の受け皿にもなっているようで、交流会の案内やイベント告知が店内のそこここに貼ってあった。その交流会主催のイベントポスターには、ドラァグクイーンや掟ポルシェ氏の面々が。近場ならぜひ私も交流したい

歩いて10分程度で着、二軒目はアイリッシュパブ。かなり大きいお店で今度はキルケニーとフイッシュ&チップス(喰い過ぎ)妻はチップスの旨さに大感激していた。店の雰囲気も良く、ついつい長尻。結局ビール2杯&サイダー(林檎発泡酒の方)をいただきツマミも追加、一番美味かったのは「いぶりがっこ&チーズ」でした、アイリッシュでも津軽でもない、秋田だけどな。美味けりゃなんでも良い。

 

翌朝はホテル向かいのデパート食品売り場で地元の方が日常使いする食品を物色、名前だけは聞いていた「つる太郎」という昆布に麹を加えた醤油漬けを試しに買ってみるとこれも大当たり、ご飯が進む!義姉や家によくやってくる御方にも大好評の為、早速メーカー直販サイトで追加発注したものが今我が家の冷凍庫に貯蔵されている。

 

ヤマモト食品 つる太郎CM。地元ではお馴染みのヤマモト食品、名前が「つる太郎」というだけで地元つるっぱげ同好会の皆さんをCMに起用、はげに吸盤をつけて等身大の商品看板を引っ張らせる画面のバージョン他続編多数。この自由さが中央の民放にも欲しい

 

 という感じで今年の弘前、街は淋しかったなりに新たな発見もあり満足。しかし避暑には殆どならず。台風の影響が来ていたのか結構暑く、夜でもそれほど涼しくならない。弘前から実家へ帰るのに今回初めての試み、弘前⇔盛岡を結ぶ高速バス(所用時間はJRと殆ど変らず運賃半額)を使ったがバスの大きい窓から容赦なく強烈な太陽光が入り、車内も席間が狭い為結構ムシムシ。そして着いた盛岡は弘前以上の蒸し暑さが待っていた。東北は涼しいから3日でTシャツ4枚あれば間に合うよな、という目論見は外れ二日目のホテルでコインランドリー使い洗濯する破目に。

帰省から戻り、家で鏡を見ると首筋が見事なドカタ焼けをしていたのが今年の避暑の失敗を物語っていた。

 

 弘前は今まで累計で6回は行っているが、弘前名物を!など意気ごまず、地元の方が親しんでいるお店に行く方が段々楽しくなってきた。来年も多分行くのだろう。音楽ネタはあまり無いのだけど。(人間椅子のギターの方が一時弘前へ戻っていた時期、働いていたライブハウスも来年3月に閉店が決まったみたいだし)

 

雑記

○弘前ジュンク堂のBL書籍コーナーの充実振りに驚愕。反面、地元出身バンド人間椅子の本は音楽書籍コーナーに普通に数冊置いてあるだけ、POPも無し、ジュンク堂池袋では展示会までやっていたのに…

 

○エヴァンゲリオン展が青森でやっているらしく、地元のパン屋「工藤パン」がコラボパンを出していた、「イギリストースト暴走モード」って何?デパ地下食品売り場で見つけ30%引きだったので土産に買おうかと思ったが賞味期限が当日だった。

 

○昔、地場のレコード店があったところはフリマ会場みたいになっていて跡形も無し。5年程前は店内でCDのみならずレーザーディスク(!)の新品をバーゲン価格で売っていた店だったが、返品できなかったのね…店頭では林檎も売っている味のある店でしたが。

 

○何故か毎回行く帽子屋、ハーミーハドソンで妻は今年も帽子まとめ買い、残念ながら頭が大きい私は合うサイズが高額なやつしか無く断念。