(ほぼ1年の中断を挟んで更新です。備忘録代わりでもありますがやはり所々曖昧になっている。地図と撮った写真と妻が頼りだ)
マンチェスター2日目。朝は昨日TESCOというコンビニで買ったソーセージ&マッシュという1品と牛乳。名前そのままのソーセージ2本とマッシュポテト。鮒にでもなったような気分だが牛乳は美味い。
今日は朝早くからEpping Walk Bridgeという橋へ向かう。海外の地方都市の橋。何故そんなところに行くのか?我が家2人ともが若い頃聴き狂って人生に負の影響を与えまくったJOY DIVISIONというバンドの有名なスチル写真がここで撮影されているから。今はベスト盤のジャケにも使われてるその写真、昨今はネットで世界中のフアンがどう行けば良いのかを詳細な解説を上げている。良い時代になったものだ。他にもこの街はTHE SMITHSの有名な写真が撮られたSALFORD LADS CLUBとか、映画にもなったクラブ、ハシエンダの跡地等、イギリス北部の音楽好きには歴史的な場所が色々あるが、どれもそこそこ郊外で遠い&治安があまり良くない場所にあるという事なので今回は断念。若い頃なら距離も治安も関係なく向かっただろうがそこはそれ…寄る年波には勝てない。
ホテルを出て散歩も兼ねて歩いて向かう。iphoneの地図アプリに住所打ち込めばルート出るとはこれもまた楽になったもの。徒歩約25-30分という目安。道中、マンチェスター大学の構内を横切る形になったがあまりに広大な敷地に驚く。学生街の定番、キャンパス近辺には食堂、パブ、本屋、楽器屋等がひしめいている。学生の中にはアジア系の若者もかなりいるが日本語を話している人は居ない、大体中国語で韓国語が少し聞こえてくるくらい。そもそもイギリス来てからほとんど日本人には合っていない。お店に入っても 「Chinese? 」とは聞かれるが「Japanese? 」と聞かれることは皆無。かと思えばポスターで「Japanese Karaoke Night」なるイベントの告知があったりと、アカデミズムの世界からは完全取り残され、サブカル領域でのみ辛うじて影響力を残してるのか日本?などという考えが頭をよぎるがまあそれはここで語るようなものではない。
大学キャンパス内を抜けると突如住宅街のような場所に突入した。長屋風情の家が続き人通りも少なくなる中を歩いて5分程度、荒れ放題の小さな公園の先に目的の場所はあった。写真で見ただけでは判らなかったが、バイパスを跨ぐように作られたかなり大きな歩道橋。橋の向こう側はHULMEという嘗ては治安の悪さで名を馳せた地域だが、橋から見ただけではただの住宅街だ。まあ、眺めてたら強盗現場や殺人現場を偶然見るなんてことは通常あり得ないし(妻の在英友人に聞いた話だと、治安の悪い貧民街というのは昔の話で今は随分まともになっているという事だった。ジェントリフィケーションというやつか・・・)JOY DIVISIONの写真が撮影されたのはかれこれ40年程前だが、橋のつくりは何も変わっていない。そのままの欄干と街灯がそこにある。写真におさめ、妻に橋に佇む自分を撮ってもらう以外はする事がない。ただ橋の上をウロウロして下走る車眺めたり、橋の端から端まで歩いてみたりを繰り返すだけだがなんともなく満足した。我ながら単純な感性だ。
そこからホテルに戻り一休みしようと言うことで往路とは少しルートを変えて戻る。丁度昼飯の時間なので学生の集団があちこち歩き回っているが、周辺の店はピザ屋、フイッシュ&チップス屋、バーガー屋と見事に茶色&黄色の食物出すとこばかり。。入ってみたい好奇心もあったが渡英以来の食生活でやや胃もたれ気味でもあり、どの店も結構な列が出来ているので断念。途中のスーパーに立ち寄り昼飯用のカレーセットみたいなものを購入。なかなか本格的な辛さと味で満足。イギリスの外食は高くて味はその高さに見合わないものが結構あったが、中食用のものは結構安くて美味しい。少し休んだ後、この街のメインストリート、ピカデリー駅前に向かう。百貨店からファッションストリート(そこの真ん中に一際大きく鎮座しているのがユニクロなのはさておき)そして自分の興味の最大値、レコード店もここに集中している。
駅前広場まで妻とともに歩き、そこからは各々の興味赴くままに店を廻るため集合場所と時刻を決めて個人行動。渡英してから初めて妻と離れての個人行動だ。妻は英語が堪能だが、私は都合12年英語教育を受けたのに読めるが話せないという典型的昭和世代。とはいえ向かう場所はレコード屋だ、最初の仕事はレコード屋店員だった私。何とかなるだろうと根拠の無い自信を持って向かう。
徒歩15分圏内に3つのお店が集中している。1件は新譜を扱うお店、2件は中古盤屋、どちらも扱う商品はアナログ盤がメインでCDは全体の1/3位になっている。1年後、日本の店もメイン取り扱いがアナログ盤に変わりつつあるが、あまりのCD扱いの落ちぶれぶりに明日の我が身を憂う。新譜を扱う店はかなり品揃えも陳列の仕方も良く、都内にあれば通いそうな店だが、新譜は日本でも殆ど入手可能な上に値段も変わらない。中古盤屋1件はかなりフロアも広く地下もある2フロア構成。アナログが置いてある地下へ向かうとかなりの品揃え。オールジャンルを扱う店だがかなり細かくジャンル分けしてある。専門店ということもあり、高価なものは日本と変わらない位の結構な値付け。60年代〜70年代半ばまでのロックはモノによっては日本の方が安いかも。ここで狙うのはご当地マンチェスターのバンドのレコードとイギリス盤7インチアナログシングル。JOY DIVISION/NEW ORDER,THE SMITHS,THE FALL,A CERTAIN RATIO,etc 、自分の10代半ばから20代前半を彩った音の数々がここ発祥だ。流石地元だけあり在庫も豊富、分類も細かい。小一時間悩んでTHE SMITHSのアルバム2枚、NEW ORDERのアルバム1枚、いずれもオリジナルアナログ盤を購入。7インチ盤は70年もののピクチャースリーブを狙って(イギリス盤のシングルは日本でいうところのジャケが無く、レコード会社名が書かれた内袋だけのものが多い)探したがここでは収穫なし。良いのは高い!よし次行こう次!
二軒目の中古盤屋はいかにも個人営業の小さな店、店内は狭く、雑然とした中、店長が仏頂面で奥に鎮座。良いねえ!中古盤屋はこうじゃなきゃ。
ここでは70年代モノを集中して探す。オリジナル盤はあまり無いけど英国盤がかなり安い。今更だがYES、GENESISの英国盤を安価に入手して満足。7インチは?うーん...高い棚に置いてあり店長に頼んで下ろしてもらわないと見れないので語学力自信ない私は断念。いざ下ろしてもらい良いの無くても何か買わなきゃと思うのも嫌だし。ご当地ものは90年代以降の所謂「マッドチェスター」ものが多く、今そこらへんはあまり聴く気がしないのでスルー。
少し迷ったのはJOY DIVISIONのデビューシングルだがこれまた高過ぎで断念。明後日からのロンドンで再捜索だ。
なんやかんやでアナログ盤LPを6枚購入した時点で待ち合わせ時間が来たので集合場所へ向かい妻と合流。今日は宿泊部屋で中食する予定なので、広場を囲むようにあるスーパーマーケットへ入ろうとするが激安スーパーで知られるlidlという店は劇混みで入店を躊躇するレベル。諦めてM&S FOODSというここ数日他の場所でも何回か利用したことのある店へ。ここで初めてバッティングマシーンの玉みたいにオレンジがセットされており、その場で絞ってボトルに入れるオレンジジュース製造機に気付き試してみるが非常に美味。翌日も購入した次第で滞在中飲んだノンアルコール飲料では最大の収穫だつた。(というかそれ以外は大体マズ・・・)あとはレンジでチンもの食料と滞在中の日課と課した缶ビール4缶パック(かの地ではスーパーやコンビニで缶ビールを1本単位では殆ど売っていない。4缶でも500-600円程度だからあまり気にはならないけど)OLD SPECKELED HENというお気に入りビールを入手してホテルへ戻る、買ったレコードを眺めながら上機嫌で飯&ビール。あっという間に4缶空けて就寝。マンチェスターは滞在はあと二日。終日自由に行動出来るのは明日が最終日。