LPT annex

whatever LPT consists of

Humble Mumble その23:「15時17分、パリ行き」(The 15:17 to Paris, U.S.A.2018) あるいは台湾高速バス

 

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私は国内外を問わず乗り物が大好きだ。馴染みのない街とかで、フイっと乗ったバス、電車、タクシー、その車窓から見える風景、田舎道、自力では決して歩いて見回ることのできない場所。

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台湾高速バス 外観(左)、内装(右)ともに豪華なのだが…

そこに住む人々の生活ぶりに思いを馳せたりして、ボーッとするのが至福の時間。忘れられない思い出もできたりする。数年前、台湾に行った時台湾の旧友夫妻が台湾内のプチ・トリップに誘ってくれた。風光明媚な景勝地、日月潭。台北から高速バス。これが凄かった。大体2階建て。時間はかかるが、ハデなデコレーション、席も案外贅沢なくせにダントツお安い。乗り込む時の階段が異様に幅が高くて、フーフー言って乗り込む。車内のトイレがアンビリーバボー!険しい階段の脇あたり、ちょうどエンジンの上あたりに、人間がやっと入れる、ステンレスの「和式!」のトイレがある。紙はない。この絶望感!風もビュービュー吹き、それもエンジンの上なので内部は物凄く煩い。爆音を放って走行中、このトイレは生きた心地がしない。ブッシャーーーーーーッ、ゴオオオオオオオッ、ゲシャーーーーーーッ、つかまるところもなく、「和式」、もう、自分まで一緒に流されてしまいそうで、「お母さん、ごめんなさい!お母さん、ごめんなさいいいいっ!」と心で絶叫しながら、ゼーゼー言って席に戻った。友達は「プ」慣れてるのね。そう旅先では何があるかわからない。

 

15時17分、パリ行き(字幕版)

御大クリントイースト・ウッド監督(87)の最新作、「15:17分、パリ行き」は2015年に実際にヨーロッパ高速鉄道タリスで起きた、無差別テロ事件、いわゆる「タリス銃乱射事件」だ。タリス!2018年4月に初めて妹と二人で乗ったばかり!でも30分でアントワープついちゃったけど。この映画の現場がアムス発のタリスだと気づいた時、鳥肌が立ちました。

8歳から幼馴染の主人公3人は、どこにでもいる普通の青年。子供の頃は問題児でしょっちゅう校長室に呼ばれ、スカタン人生。長じてアメリカ軍に入るも、何かいつもかみ合わない。希望の部署にも入れない。子供時代の情けない思い出と、現在の軍での彼らの姿が交互に巧みに描写されていく。どんなに努力しても報われない虚しさ、どこか不器用。やりたいことがみつからない、ここで自分は何をしてるんだろう。それでも子供の頃から「神様、僕を平和の道具に使って下さい。アーメン」と祈ってベッドに入っていた。

そんな中、カードを使って、思い切って夏休み、初めてのヨーロッパ旅行に。皆配属先が違うので現地集合。とても丁寧にローマやベニス、アムスをセルフィー撮りまくりで満喫する青年たちの姿が超リアルだ。(「インスタ映えする」ってのが「Instagram Worthy」と言うのも初めて知ったけど。知ってた?) 

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再登場 タリスと筆者 2018年4月27日 9:30分、パリ行き

 それもそのはず、この監督のすごいところは、この映画の主人公たちは素人だが事件に遭遇した「本人達」に演じさせたというところだ。それもセットではなく、実際の列車を貸切り、走行中の自然光で撮影されている。554名を乗せた列車。フランス国境に入った頃、神に命を捧げる覚悟で300発の銃弾を持ち込み、大量無差別虐殺を目論むひとりのイスラム過激派テロリストが行動に出る。一人だけ犯人に撃たれた乗客も「本人」が演じている。監督が常々描きたかったのは、単なるヒーローものではなく、「人生を左右されるような動きを取った人々の動機」だという。誰の日常にも起きうる現実。ダメダメ人生だったけど、ずっと自分を活かすことができなかったけど、事件に遭遇した時の青年たちの咄嗟の判断は神対応だ。結局、ひとりの死者もでなかったのだから。何の役にもたたなかったことが、結局積み重ねてきた経験として、何ひとつムダなものはなかったと、後日、本人達も語っている。勲章まで貰ってよかったね!

 

なお、前出の台湾高速バスは年末、姉妹で台南に向け初トライする予定。トイレの改善向上を祈りながら!Go Ahead Make My Day!!!

マンプク宮殿19 キリンメッツ&かき揚げ弁当&YOU AND I

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「今年は過去最高の暑さ・・・」と夏が来るたび思っているような気がするが、実際今年は自分の体脂肪率の増加や高齢による体温調整機能衰え等を抜きにしても異常な暑さだった。過去形にしているのは現時点では通年の暑さに戻っているので一心地ついているからだが、予報によれば8月からがまだ猛暑再開との事。汗は滝のように流れるが体重は流される事もなく滞留→増加の兆し。そんなに暴食をしているとも思えないのが何故だ?暴飲だな・・・

 巷では学校に冷房を導入するしないで騒ぎになっている所もあるようで、導入否決した地域の議会では理由として「暑さに耐える根性も必要だ」という話も出たとか。熱中症で倒れたり死んでる人もいる中そう言える根性は見上げたものだが、彼の根性はクーラー無しで教室にいた事で鍛えられたのものなのだろうか?だったら議会も冷房無しでやってほしいものだ。より地方行政の課題について暑く(熱く)議論出来る事だろう。

 と言いながら自分が学生時期を過ごした時代、北東北地方の学校では冷房は必要無かった。今は実家に帰れば部屋にクーラーが設置されていて地球温暖化の影響はここまで・・・と慄く事もあったりするが、20年ほど前までは一番暑い時期でも窓を開ければ湿気が少く、涼しいカラッとした風が入ってくるので冷房必要無し、昼がいくら暑くても夜になれば気温が20度前後まで下がるので(砂漠みたいだが)寝苦しい夜とも無縁。
 
 高校制服の衣替えは関東地方と同じ6月からだったが、男はすぐ学ランを脱ぎ捨てると馬鹿にされるという妙な風習があった為、7月になっても全身黒い出で立ちで通学する愚か者が多かった。私も一時期は愚者の一人だったが湿気が無く涼しいとはいえ黒い厚手の上着を盛夏に着て快適なはずが無い。中に着る服がどんどん簡略化する。Yシャツ→Tシャツ→上半身裸の上に学ランと、字面だけ見れば本宮ひろし漫画の主人公、実際はあばらが浮き出た貧相な上半身を襤褸で包んだネズミ男がウロウロしてる風情と化した。最終的に学生服の背中に塩が浮かんできて白くなった段階で挫折。汚いし暑いし臭いし何も良いことないのに何をやっていたのか、今では死語になった「バンカラ」という気風がまだ残っていた地方だったのでその風にあてられたのだろうが。
 
 そんな季節の中、私は部活に勤しんでいたが、合宿したり強化練習などもなく暗室に籠っていた。(写真部に居た為)この暗室という存在、窓があるとそこから光が漏れて現像作業時に不用意な感光をする為、なるべく密室である事が望ましい。用意された場所は校舎の外、半地下部分にある運動部用具室が立ち並ぶ一角だった。ここは人が長く滞留する事を考慮された場所ではないため窓が無い(出入り用の木の扉のみ)、部屋の隅には排水溝が蓋もされず横切っている、電球も裸電球一灯のみという人の居住性という意味では最悪だが暗室という条件は全て満たした場所ではあった。

 アナログ写真をやった方でないと判らない話になるが、紙に焼く段階で停止液というものに印画紙を潜らせる工程がある、使用するのが酢酸という独特の酸っぱい匂いを放つ液体の為、部屋には常に劣化した酢を零したような匂いが漂っていた。

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Whatever Gentleman consisted of when he was a high school boy

 夏季は秋の文化祭の前準備、出品する作品を選ぶテスト焼きを行うため、夏休み中でも暗室に週一位は通うことになる。夏で気温は高い、常に酸っぱい匂いがする、排水溝にはたまにネズミが走っていたりする・・・そんな中、赤い電球(赤電球は印画紙に感光しない為)一つの中で蠢く輩達。昼になれば腹も空くが常に高校校門向かいにあるほっかほっか亭で一番安くて腹持ちが良い「かき揚げ弁当」260円+横の万屋で「メッツグレープフルーツ味350mlガラス壜」を買う。そして校庭に出て食べれば良いのに何故か暗室に籠って食べていた。私だけはなく部員全員が昼飯を部室で食べていた。なんであんな臭くて暗い場所でわざわざ昼飯を食べなくてはいけなかったんだろう?今あの環境で食べたらきっと吐いてしまうだろう。

 そしてこの時期に暗室作業中に聴くことが多かったのがYESのアルバム「危機」。B面1曲目「AND YOU AND I」(邦題:同志)という曲に夏を感じたのだろうか、よくリピートして聴いていた。今となっては全3曲のアルバムの中で一番聴くことの無い曲だが高校生の時に聴き過ぎたのだろう。いや、あの曲を聴くと酢酸と下水の匂いを思い出すからなのかもしれない。全然そういう曲では無いのだが。

 今年も8月中旬には帰省する予定。駅から実家戻る途中に母校の前を通る事になるが夏はいつも前を通る時に「AND YOU AND I」が私の頭内で再生されていることを横にいる妻は知らなかっただろう。同時に口内に安かき揚げの脂ぎった味が再現される事もだ。

 学校は私が卒業後改築されて校舎自体が別の場所に建て替えられている。あの暗室はもう存在しない筈だ。不思議とそれに関しては何の感慨も無い。

危機

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 22 第一話無料あるいは韓流ドラマ

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特に好きでもないものに、はてしなくはまってしまうことはないだろうか?あった。

世の中便利なもんで、今ではレンタルなどせず、映画もドラマもオンデマンドとやらで見たいときに自由に見れる。シリーズものなど、第一話は無料など、「へえ~、タイトルに猫がついてるし、猫のドラマなのかな?」と、ある日、つい無料枠から入ってしまった。韓流でよくある大金持ちと訳あり貧乏ガールのからむ、今のところラブコメなのか、動物系なのか、愛憎ものなのかわからなかった。確かに猫がきっかけに話が進み、2話が見たくなる。次からは2話で325円だったかと思う。「お得じゃ~ん」と、見てしまった。じれったい。猫が巻き起こすハプニングというわけでもなさそう。じりじり、ああ、この二人がくっつくんだろうな、と思いながら、二転三転、気が付けば35話くらいまで見ていた。もう、主人公たちがあたふたしてる原因が見てる側にはバレバレなのに、すれ違い、勘違い、御都合のいい場所での「目撃」→「しばらく会わない」。「なんだ、そうだったのか」「早く気づけよ、ダホっ!」の繰り返し。何回も出てくる同じセット、ロケ現場。出勤前に2話、帰宅後に2話、休みの日に10話、俯瞰的に見ても、物語全体の進展もあまり見られない。猫の登場はほぼこじつけだったのもわかる。

「う~ん、いくら韓流ドラマは長いってよくきくけど、だいたい60話くらいがメドだよな」と思いつつも、じれったい物語進行に、すでにその時は中毒になっていた。特に気に入ったキャラがいるわけでもないのに、話の先が知りたくて、ついつい見てしまったが、2話325円でも、チリも積もれば山となる。

60話過ぎても終わりそうもない。ふと正気に返り、ネットで調べてみた。本国では確かに大ヒットした作品で、あちらでは大スターもそこここに出ているが、最終は119話!!見れね~よ~!!!!長すぎだよ~!!!

大まかな粗筋をネットで把握し、最終回だけ見た。十分だった。早く気づけばよかった。超ビッチだった脇役(K-POPグループの女の子)が改心して赤ちゃん産んでたり、主要キャラ総出でキムチ作りに励んだり、笑顔笑顔で終わり。当然だが翌月の請求額はオンデマンドだけで1万円超えていた。

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何年か前、韓国大河ドラマ「イ・サン」にもはまった。確かこれは、DVDを借りたんだと思う。やっぱり先が知りたくてどんどん見ていった。歴史ものなのでそれなりに勉強になったが、同時期鍼灸の治療にも通っていて、そこの若い女先生も毎週NHK-BSで放映されるものを録画して時間のある時に見るのを楽しみにしていた。それなのに、治療中に、「あ、あの人ね、結局毒盛られて死ぬんですよ。あとあれはね、あの人はね...」と、どんどんネタバレしてしまった因果応報として、今回のオンデマンド、第一話無料には特に気をつけようと肝に銘じ、今は新旧洋画をせっせと見ている次第である(完)

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Humble Mumble その21:RED SPARROW(U.S.A.2018) あるいはプーチン濃度

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なんだかんだ言って、昨今はすごくスパイ映画が多いと思う。テレビでも、やたら刑事ものが多い、刑事ものを作れば当たるという、再放送でも刑事もの、世の中そんな流れになっているのだろうか。
最近じゃミサイルばっかりぶっ放してた某国の大指導者と、米国の白くてキンパツでファストフードでできてるような大統領がいきなり仲良しこよしで、握手してたり、このHMがネットに上がってる時にはいったいどうなっているやら、その陰では暗躍したスパイや粛清された人々の屍ルイルイなのだろうかと、見てもいないのに知りもしないのに、映画の見過ぎ?で妄想が働いてしまう。

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RED SPARROWは私個人のベクトルからいくと、へんなところでドギモギした最新スパイ映画だ。主人公はボリショイ・バレエ団きってのプリマドンナだが、公演中の不慮の事故から二度と踊れない体になってしまう。病気の母も抱えているが家も親の治療費もすべてボリショイ=国家持ち。踊れないなら、もう生きていくすべはない。そこに手を差し伸べたのが、疎遠になっていた叔父。ロシア情報庁の副長官だという。ある要人と一晩デートしてくれれば、それでいい...と、選択肢のないまま、政府の陰謀にはまってしまう。殺人現場にまで居合わせてしまったら、もう逃げ場もない。「今とは別の人生を生きればいい」叔父にすすめられ、養成所「第4学校」でスキルを磨くことに...って、水商売なんかじゃない。ハニートラップ専門、心理操作を学ぶ専門組織!昔、フルシチョフが秘密裏に作ったという。「体は国家のもの!」「大義のため犠牲はつきもの!」「不快な相手でも体は騙せる!」これ、戦前の映画じゃなくて、バリバリ現代が舞台なんですよ。「冷戦はまだ終わってない!」って、まあ、CIAとの騙し合いとか...騙し、騙され、その辺は興味があったら観てみて下さい。拷問シーンとか凄くイヤです(すごい投げやり)。

私が一番クラクラきたのは、アメリカ映画なのに一応ロシアが舞台の映画で、東欧とかUKとかも飛ぶけど、俳優さんたちがCIA役を除いて、みんな「ロシア訛り」の英語を話すところです!主役のジェニファー・ローレンス(米)はダントツ訛ってるけど、養成所の校長がシャーロット・ランプリング(英)!ロシアの黒幕のうんと偉い人がジェレミー・アイアンス(英)!主人公の病気の母が、以前「ハットンガーデン・ジョブ」で紹介したハンガリアン・モブの女ボスをハンガリー訛りで演じてたバネッサ・レッドグレイブの娘さん、ジョエリー・リチャードソン(英)!
そこにきて、あまり馴染みのないお名前かと思いますが、マティアス・スーナールツ(40)!!フロム、アントワープ!彼が凄い!(ベルギーって漢字一文字にすると、どう書くのかな?←「白耳義」でした。なんでやねん??)
彼が主人公を暗黒世界に引きずり込む叔父なのだが、ロシア訛りは当然、まんま、プーチン大統領が出てきたのかと思い、あまりのそっくりさにドキドキしっぱなし!結構、実名でバンバン色んな名前出てきちゃうし、ロシア政府からNGでなかったのかと、余計なお世話もしました。
これまた以前紹介した、素敵な性転換映画?「リリーのすべて」で、実は優しい紳士役でちょっと出ていて、今見返すとその時もプーチン濃度が高かったけど、今回は、ほぼ準主役級で凄い見ごたえ!やっぱり、映画の内容云々より、タヌさんのネット検索力を借りて、「プーチン大統領本人」「RED SPARROW」「他の作品での濃度」と写真で出してもらうことにしました。

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どれが本物のプーチン大統領か探してね♡コケーッ!!

映画の中で、何回も裏世界の人の口から「姪を第4学校に入れるなんて...」という台詞と、「くれぐれも大統領にはご迷惑がかからないように」という、後処理の際の台詞が一番心に残った映画でした。ああ~、フツーが一番!!トラップいらね~っ!!

マンプク宮殿18 THE PUBLIC IMAGE IS ROTTEN

 

悪癖だと自覚していながら新しいものが出ると買わずにはいられないもの。コンビニに行くと必ずドリンクコーナーへ行き新商品が出ているかチエック。特に炭酸系のものは出ていると試さずにはいられない。それがどんなに無理筋で飲む前から失敗するのが明白なものであっても。
 数年毎に色んなメーカーが思い出したかのように挑戦しては玉砕する「コーヒー+炭酸」、地方へ行くとご当地名産品と炭酸を組み合わせた無理矢理サイダー(ずんだ豆+炭酸、牛タン+炭酸、カレー+炭酸 etc)どれも飲んでみるが美味しかった事は殆ど無い。最近のものでまあまあ飲めたのは炭酸系では無いがコーヒーとお茶をミックスしたTEA COFFEE位なものだ。 
昨今のスーパーは定番系の飲み物しか置いていない事が多く、日常でそういう変なものを捜すにはコンビニへ行くしかないのだが定点観測スポットだった家から一番近い某コンビニが突如閉店。これで習慣が無くなる事が健康にも財布にも良いのだが。

 同じように新しく出ている事を知るとついつい買わずにいられないのが「英国のビートたけし」と我が家で呼ばれているジョン・ライドン(aka ジョニー・ロットン)関連物。とはいえレコードやCDは出ているものを全て追いかけるわけではない。

最近出している新作は悪くはないが、まあ・・・・それなり・・・という感じで彼の年金基金を出していると思えば腹も立たないが、正直この方の音楽的なピークはSEX PISTOLSからPUBLIC IMAGE LTDの3枚目までだと思っているのでそこから後のものは中古で安ければ買ってみるという程度のお付き合いだ。

 

Still a Punk: ジョン・ライドン自伝

出れば買わずにいられないのは書籍。但し日本の評論家やライターの方が書いたピストルズ本やパンク関連の書籍は興味の対象外なので除外。日本でも知名度のある方なので洋書の翻訳本が出ると買うのだがまあ結構な量が出ている。自伝だけでも2種類。
昔ロッキングオン社から出ていた「Still a Punk: ジョン・ライドン自伝」というのと数年前出た「ジョン・ライドン新自伝~怒りはエナジー」というやつだ。

ジョン・ライドン 新自伝 怒りはエナジー

最初の本は家のどこかで眠っているはずだが発見出来ず。後の本は相当なボリュームの為、2016-2017年に渡り寝る前に少しずつ読み進めて昨年夏に読了。人生訓とか語っているところはどうでも良い。関わりのあった人々をケチョンケチョンに貶しまくるところが醍醐味。何人かは筆禍を免れているのだが著名な方々は大体ロクな事を書かれていない。キース・レヴィン。ジャー・ウーブル、リチャード・ブランゾン、ジョー・ストラマー、アリ・アップ、ピストルズの残りメンバー。そして当然ながらマルコム・マクラーレン。ただ、以前は全てに於いて酷く描写されていたが今回は「そういう奴だがここは凄かった」みたいなフォローが入っているのが救いか(マルコム・マクラーレンは除く)
それ以外も関連本みたいなものでピストルズのベーシスト、グレン・マトロックの書いた「オレはセックス・ピストルズだった」とかイギリスパンク~ポストパンク時代の評論本「イングランズ・ドリーミング(JON SAVAGE著)」やら「ポストパンク ジェネレーション1978-1984(SIMON REYNOLDS著)」等々、自宅本棚にコーナー作れる位読みまくっていた。

John Lydon's Megabugs [Import anglais]

 それだけで終わらず、彼が2000年以降テレビタレントとしてリアリティ番組や自然ドキュメンタリー番組に出ていた頃の映像商品、昆虫ものドキュメンタリー「John Lydon’s Megabugs」を海外サイトから取り寄せたり(当然全編英語、紹介する昆虫も害虫系が多いので我が家では非常に評判が悪い)一体私は何をやっていたのだろう?
 そして今年は来日もある。PIL結成40周年記念らしくBOXセットも出る。ドキュメンタリー映画も上映されるらしい。全てタイトルは「THE PUBLIC IMAGE IS ROTTEN」。歳とってもネーミングセンスは良いな。さてどこまでお付き合いするものか・・・・

ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン(ソングス・フロム・ザ・ハート)(完全生産限定盤)(2DVD付)

追記:そういう書籍をついつい買ってしまうミュージシャンがもう一人。リッチー・ブラックモア。本人が書いたわけではないがパープルからレインボーまでロードマネージャーを務めた人が書いた「冷酷組織の真実 ザ・インサイド・ストーリー・オブ ディープ・パープル&レインボー (BURRN BOOKS)」は非常に楽しく読めた。(ギター奏法解説とかそういうのは買いません)性格悪い人間の本をついつい読むのは拭いがたい悪癖ですね。

 

Episode 1806 : I would talk about it when I went to Heaven 3-4

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冥途の土産話 3-4
 
【前回までのあらすじ】学生時代文通し対面叶うも、活動の失速と共に音信不通となり、過去の思い出となっていたゴシック・ロックバンドが、まさかの来日?!しかも来日間近に本人から直接連絡が!吃驚仰天続きの2015年春、人生、ノンストップ!
 
正月明けに来日が決まり、信じられない思いに反して脊髄反射でチケット購入はしたものの、果たして本当に来日は叶うのか、当日箱に入るまで、この眼で本当に見るまでは信じられない。というのも、このバンドを招聘したプロモーターは、採算を考えるとどこも呼ばないようなバンドや、あの人は今的な化石バンドを招聘してくれる唯一無二の存在ではあるが、それと同時に来日中止になる確率も他の呼び屋では考えられない程高く、まず半分か、いや2/3の来日は延期か中止になっている。現在もこの呼び屋は営業しているが、ライブは観たいが中止になった場合のダメージが大きいので(払い戻しの手間だけでなく、場合によってはライブ日程に合わせ、宿泊や飛行機・新幹線など移動の手配をしている遠方の方にとってドタキャンは被害甚大)、最近では皆トラブルを避ける為当日券で観ようとするため前売りが売れない→動員のめどが立たない→中止、という負のスパイラルに陥っており、中止になる確率はうなぎ登りだ。だから、来日の数週間前に文通相手から最初にメールが来た時は動揺するも「本当に来るんだ!!」と安堵もしたが、何往復かやり取りするうちに、来日公演の10日前に来たメールには、その安堵を揺り戻すかのような内容が綴られてきた。
 
「来週には日本へ発たなければならないのに、興行ビザがまだおりないんだ」
 
来日アーティストは、在外日本大使館が発行した興行ビザなしで入国し、演奏活動を行う事が明るみに出た場合は入国が出来ない。またアーティストが自分の国の日本大使館に直接申請するのではなく、呼び屋が法務省入国管理局に在留資格認定証明書を発行してもらい、それをアーティストのいる国の日本大使館へ郵送し、大使館が発行した興行ビザをアーティスト本人が直接取りに行って、初めて飛行機に乗って日本に来れるのである。そのビザを発行する為の在留資格認定証明書を「呼び屋が手配できていない」ため、当然ビザも発行されていない。出発は来週。大使館はロンドン。メンバー全員がロンドン在住でもなく、特に文通相手は現在ジュネーブに住んでおり、刻一刻と迫る出発日に固唾を飲んで待っているという。ああ、こんなのは枚挙に暇がないからドタキャンばかりなんだろうな…裏話をまさか来日バンド側から聞かされるとは思いもよらなかったが、メールは「ライブの前でも後でも良いから、会いに来て」と締めくくられていた。
 
会いたいのは山々だが、ロックバンドの来日公演で出待ちなどしたことがないし、そもそも事前に呼び屋に「メンバーから呼ばれているので」と申し出たところで、誠意ある対応をしてもらえるとは到底思えない。幸い興行ビザは出国前日に無事発行されたと連絡があり、ライブ前日にメンバー全員入国した旨が呼び屋のSNSに上がったのを見た足で、ライブ会場そばのデパートで祝来日シャンパンを手配し、万が一会うタイミングを逸しても一応ライブには来たという証拠を残そうと、ライブ初日にバンドが会場に入る時間を見計らって楽屋に届けてもらう事にした。東京で2回行われたライブは、整理券№が1桁に近かったのでほぼ2日とも最前列エリアで観る事が出来た。やはり、パッケージビデオや動画配信で観るのと、まさしくライブで観るのとは感激が違う。そして長年ファンではあったが、ここまで動的な、ロックバンドとして王道のステージを展開するバンドだとは思わなかった。
 
最近の中小規模のライブは物販(マーチャン販売)が主たる収入源となるため、ライブの前後に物販を行い、特に終了後は物販で購入したTシャツやCDなどにサインをしてもらうMeet&Greetタイムが設けられている事が多く、ご多分に漏れずざわざわと会場に残留した大半のファンが整列し始めた。満席で200人程度のライブハウスに八分入りの初日、この客が居なくなるまで待つのもどうかと思い、挨拶だけして帰ろうと、列に並んだ。ステージは勿論、ファンと握手をしたりサインをしている仕事中の文通相手を見るのは初めてだ。前の人にサインを書き終わる頃「お久しぶりです」と声をかけた。入国後の連絡先は事前にきいていたが、特に急ぎの用事もなかったので、こちらから一切連絡せずに突然本人の目の前に現れた形となった為、声をかけた瞬間文通相手は驚きで軽くのけぞった。そして次の瞬間、猛烈な笑顔で握手をした。バンド写真はもちろん、学生時代に会った時でさえも見たことのないとてもいい笑顔で「ライブはどうだった?」と聞かれ、一言「Brilliant !」と答えた時、更に光量の増した笑顔で「良かった!」と嬉しそうだった。「シャンパンどうもありがとう、明日のライブが終わったらみんなでいただきます」私も嬉しかったが、再会の握手からずっと手を握られっぱなしというのが、後ろにまだまだ並んでいるファンの手前何ともばつが悪く「また明日来ます」と挨拶し、初日は早々に帰った。
 
2日目は更に動員が減って、60人いたかどうかの客の入りだったが、2回公演を終えたメンバーが、Meet&Greetの前に一旦楽屋に戻った後、全員でグラスとシャンパンを持って現れた。前日よりぐっとリラックスした雰囲気のグリーティングタイムで、再び文通相手と、同じく26年ぶりに会う弟が私のあげたシャンパンを勧めてくれたが、全くの下戸なので断ると「なんだよ!君がくれたシャンパンなのに、いいのかよ!!でも久しぶりだね、だいぶ前うちに遊びに来たよね?26年ぶり?もうそんなかよ!!」快活な弟は当時と全く変わっていなかった。
 
沢山のファンが参集する中、文通相手が「ちょっと待ってて」と、突如楽屋に走って行った。数分後、モレスキンみたいなゴムバンドのついた黒いノートを手に持って戻ってきた。ゴムバンドを外し、ノートのポケットから1枚の写真を取り、得意そうに差し出した。「ほら、一緒にマルバーン山に登った時の写真だよ!」そこには22歳の私が映っていた。マルバーン山という超ローカルな名前が飛び出し、弟をはじめウスターシャー出身のメンバーは爆笑、私は赤面、腹を抱えて笑うメンバーをよそに周りの人はさっぱり訳が分からない。パブリック・イメージとは程遠い、泣き笑いで話が止まらないゴスバンド。客もメンバーも、動員の悪さから「もう二度と、日本では会えない」ことはわかっている。だから、呼び屋が早く出て行け!ライブは終わった!と幾ら叫んでも、そこは触れ得ざる異空間の様に時が流れていた。「また、連絡を取り合おう」そう約束して、私は会場を後にした。
 
 
 

ハンブルサーバントの独り言 Humble Mumble 20 判決前夜 Before and After (1995, USA) あるいは美少年

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誰もが知ってるシュワちゃんのターミネーター・シリーズは大好きだった。特にタミネ2で彗星のように現れたエドワード・ファーロング(当時14歳)の普通の子供とは思えない愛らしさにはハート鷲掴みで、何回も何回も見たっけな。さぞやステキな青年に成長していることだろうと作品を探したが、KISSのコンサートに行くのに死に物狂いになる「アホ」を演じたDetroit Rock Cityでは見事に期待を裏切られた。何かトンカチでたたかれたように、ずんぐりむっくりな青年になっていて目を疑ったが、話は面白かったのでヨシとした。 

 

最近、偶然「判決前夜」という映画を発見した。「ハンケツ???半ケツ⁈」と別次元でタヌ夫婦は興奮していたが(笑)、タミネ君撮影直後の作品なので、まだ17歳位。父親がリーアム・ニーソン、母親がメリル・ストリープという、それだけでも大変そう~と思ったが、期待は見事に報われた。

ニューハンプシャーの小さな町で彫刻家の父と小児科医の母を持つ息子に、元カノ殺しの容疑がかけられる。子供を守るためなら証拠隠滅でもなんでもする父、真実を正直に世間に訴えなくてはいけないと主張する母、どうしていいかわからない本人、手の平を返したように冷たくなる町の人々。オレ流を貫く弁護士、家族の絆って...その葛藤を描いていく。

物語の冒頭、静かな町の景色を映しながら、妹のモノローグで進んでいく。「ある’一瞬’を境に、すべてが変わってしまう瞬間がある。すべて悪くなるわけではないけど、もう二度と元には戻れない’一瞬’が。Before and after...」と。

 

他にもっといい子いなかったのかというくらい、ビッチビチな彼女に弄ばれるエドワード君。車の中で彼女に「赤ちゃんができたの」と告げられたときの、まだ人生経験10数年しかないティーンエイジャーの困惑ぶりを何よりも雄弁に語っている「無言」の表情だけでも、この映画は見た甲斐があった。

その彼も今はもう40代。さぞやステキな大人に成長してるだろうと検索しまくってみた。

ううう、時間は残酷だ。子役あがりお決まりの?ドラッグ、アル中、DV、離婚、おまけに超肥満になっていて、生き様が全身から匂いだっているのだ。カルヴァン・クラインのモデルまでやったのに~。 

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エドワード・ファーロング before and after

失意の中、検索を続けていると渋いオジサマが出てきた。美少年繋がりなのだろう。あの名作「ベニスに死す」で名優ダーク・ボガート様を翻弄した、妖艶なタジオを演じたビョルン・アンドレセン!大好きだった!出てくる、出てくる、とても人間とは思えない15歳当時の綺麗な写真!確か来日もしていて、欽ちゃんの番組に出ていたのを覚えているが、タジオのイメージがついてまわり、その後はあまり映画には出ず、元々好きだった音楽で身を立て、妻子にも恵まれ、ステキな北欧紳士(63)になっていて、ほっとした。大きなお世話だが。

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ビョルン・アンドレセン before and after

ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズのように、若い頃は恐ろしいほどのウマヅラでキモイのでなるべく見ないようにしていたものの、近年ではアブラが乗り切って、リチャード・ギアばりの「ええ~オトコや~」になってる人も散見する。やっぱ、人って生き様がでるよな~と感慨にふけってしまいました。

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ロジャー・ウォータース before and after

なお、絶世期の美少年、おふたりの絵を描こうと思いましたが、「絵にもかけない美しさ」故、タヌさんにサイトから適宜選んでもらいました。特にエドワード君に関しましては、本人の名誉のため、どん底写真は控えさせて頂きます。あしからず!(何様のつもりだ!)