すごく有名な映画なのに、誰でも知ってる作品なのに、あれ?で、結局どんな話だったっけ?って作品は私の中では案外多い。
ヒッチコックを知らない人はいないと思うし、アンソニー・パーキンス主演の「サイコ」なんて名作中の名作!ほら、あのシャワー浴びてるところをナイフでズブズブ襲われて、あの緊張感マンマンのヒステリックな弦楽器の効果音!ね、ね、すぐ思い出すでしょ?
だけど、そもそもあの女性はなんで殺されるんだ?と、なってくると思い出せない。ホテルのオーナーが変態だったから?、程度。
何十年かぶりに見てみました!絶世の美女、ジャネット・リー演じる主人公は、なんだ、不倫してたのか。オマケに取引先の大金を横領して逃げる途中に、ひなびた誰も泊まっていないベイツ・モーテルにたまたま泊まっただけ...タバコは吸うわ、ミサイルのようなブラジャーしてて、着替えシーンも惜しげもなく披露してくれる。壁の穴からじっと覗き見してるホテル主、孤独で偏屈で神経質そうなノーマン。母屋にいるときは、いつも母親と口論してる...
急に連絡が取れなくなった姉を心配して、あれこれ辿って妹と恋人が動いて、あっけなく犯人ノーマンは異様な姿で、ご用。ことの顛末を刑事さんが延々と同僚に説明して終わり"(-""-)"う~ん。そうだったんだ。
21世紀になって、その名作を土台に、シーズン5、全50話まで膨らませ大ヒットしたという、アメリカTVシリーズ、The Bates Motelをたまたま見つけた。そのDVDのジャケットは相当ショッキングだった。描写的にはなんでもない、母親と息子がまったり抱き合ってるだけの写真だけど、ベイツ・モーテルって、あのベイツ・モーテルでしょ?え???挑戦的な目でこっちを見てるこの青年、え!フレディ・ハイモア??
あの、大ヒット作、ジョニデ主演、「チャーリーとチョコレート工場」の子役!当時12,3歳。
小動物のように、いい子の塊みたいな可愛い坊やだった。それ以外の出演作品は見た事がなかったので、中年女は背筋が凍りましたよ!この作品開始時は20歳位。知らない間にケンブリッジ大学も優秀な成績で卒業してるっていうし。立派に育ってたのね~。ちょっと胴が長いけど。すぐに中古輸入版DVDをシーズン3まで揃えたんだけど、何のことはない。とっくにアマプラで全話字幕付きで観れました!
監督曰く、あの名作、母親は最初から世界一有名な「死体」として登場しているけど、その人生はどんなものだったのか。ノーマンにもし兄弟がいたら、友達がいたら、どんな人生を過ごしていただろうか、脚本担当の女性も、登場人物になりきってどんどん膨らませて書いたので、1話ごとにヘトヘト、こいつらみんなイカレてる!と、インタビューでおっしゃってる通り、現代のオレゴンの田舎町、みんなスマホ持ってるし、特にこれといって産業もない町なのに金持ちがゴロゴロいる。大麻カルテル、人身売買。警察も市長もみんな癒着。裏切ろうものなら、見せしめに火あぶりにされる。ううう、農村の狂気??
ノーマン役のフレディ君も、どうみても優等生的ナイスボーイなんだけど、母親にべったり、母親も根はいい人なんだけど、超エキセントリック。親子でしょっちゅうマジ切れするし、フレディ君のラブシーンもあるし(案外ヘタ)、母親になりきったりもするし。ぶん殴られもするし、どんどん人も殺すし。
母親は本当に男運が悪くて、でも必死に自立しようとしている。父親違いの息子がもうひとりいるという設定。この「父親」も彼女の実の兄だというから、もう、ドロドロ、ドロドロ。でも、このママ、すごくよく料理をする人で劇中の食事が凄く美味しそうだったな。
ノーマンが多重人格に悩まされながら、いろんな人たちと絡み合いながら、シーズン5の最終話では、原作「サイコ」へのオマージュ満載。アンソニー・ホプキンス様と同じ台詞、動きなどが、さりげなく織り込まれている。動物の剥製作りが趣味というのも踏襲してる。
ううう~、一気に全話見たけど、消耗した~。えらいよ!ハイモア君!余談ながら、確認のために見直した「サイコ」で、一番印象に残ってるのは、ジャネット・リーのミサイル・パイでした。
PS.この後、あるわあるわ、F.ハイモア君主演作品。ベン・ウショー祭りも冷めやらぬ中、16歳時、18歳時(これ、次書きます!凄くいい!)、19歳時(本人だと気づかずアマプラで以前見てた)に撮った作品を見つけ、成長過程が手にとるようにわかり、母親になったような気分で、軽くハイモア祭りにはまりました。現在28歳!ジャンジャン!