LPT annex

whatever LPT consists of

music

Gavin Friday and the Man Seezer / Each Man Kills the Thing He Loves

邦題は「ギャビン・フライデーの世界」といい、日本では89年リリースですでに廃盤*ですが、中古屋でごろごろしていると思います。素っ頓狂な邦題ですね。本国アイルランドではU2と並ぶ屈指のパフォーマーとして大成し、ジャンルを超越した活躍が眩しいヴァ…

Tears for Fears / the Hurting +4

1985年に「シャウト」が世界的大ヒットとなり、スターダムへと驀進したティアーズ・フォー・フィアーズのデビューアルバム(1983)です。全英1位を記録した事は意外に知られていませんが、アメリカ市場を意識した音作りをする前は寒いシンセと美しいアコース…

Siouxsie and The Banshees / Juju

1981年発表の4作目ですが、今聴いてもかなりの鮮度と輝度をもった重厚感が胸に迫ります。さすがはゴスの女王、単なる厚化粧とは違います。格付は最高ランク、「釘付け」という言葉がぴったり。年代的にこの後続くキュアー等の方が古臭く感じる程です。いまう…

Magma / Simples

フランスプログレ界の重鎮、マグマの初期シングル集です。バンド独自の言語「コバイア語」で歌われる男女混声の合唱に、地割れが股下をくぐり抜けるようなベースが絡まり、凄い破壊力で迫ります。白眉はラストの'Mekanik Machine'、まるでルームランナーのス…

Hula / "The Best Of Hula

ヒューマン・リーグ、キャバレー・ボルテール、ABC等を輩出した工業都市、英シェフィールド出身のインダストリアル・ダンスバンドにして、デペッシュ・モードの前座を務めるも、遂に一度もブレイクする事のなかった永久不発弾、フーラのベスト盤です。ホーン…

Factory records Communications 1978-1992

英ワーナーよりファクトリー・レコード14年間の総括として発売されたオムニバスCDです。年代別に編集された4枚すべて、ファクトリーというレーベルだけでなく収録バンドの個性を最も顕著に現す佳作が的確かつ丁寧に選曲されており、非常に完成度が高い上、今…

Anekdoten / Gravity

昨年7年ぶりに再来日も果たした、スウェーデンのプログレバンドです。2005年最もよく聴いたCD。西欧の音とは確実に一線を画した、重厚かつ透明感のある展開に、ライブの復習にと聴いてからすっかりハマりました。7年前には薄毛で地味だったヴォーカルの人が…

And Also The Trees / (Listen for)The Rag and Bone Man

4年ぶりの新録です。暗い自分をどうにかしたくてあれこれ頑張ってきたけど、俺は明るくないんだよ!暗い男ですが、何か?位の吹っ切れ様で、真っ暗曇天、どこにも光がありません。題名からして「屑拾い(の物音に聞き耳立てる)」と、赤貧の喧嘩両成敗みたい…

John Foxx & Lewis Gordon / Sideways

BGM最多出場、ジョン・フォックスの新譜です。最近では齢50*にして相棒ルイ・ゴードンと汗まみれのライブを頻繁にやってます。但し、威勢よく自分へのオマージュをやってる感もあり、次作はまたもや処女作'Metamatic'の焼直しだそう。アーティストとしてそれ…

The Stranglers / Black & White

1978年リリース、ベースの轟音とオルガンの閃光が交錯する、当代きっての最高傑作です。中学時代LPで持っていましたが、先日輸入盤CDを買い直したらレーベル面の印刷がない上、中身は全然違うバンドの曲で大誤爆。ベースのジャン=ジャック・バーネルは、当…

Dead Kennedys / Fresh Fruit for Rotting Vegetables

80年に発表された1stのリマスター、デッド・ケネディーズの「暗殺」です。一見キャッチーなアメリカンパンクですが、何といっても魅力は歌詞。ジェロ・ビアフラが外連味たっぷりに歌う、陰険・偏見・狭量な「腐ったアメリカ」は必聴!「キル・ザ・プア」で始…

And Also The Trees / When The Rains Come

AATT初のアコースティック・セルフカバー集ですが、初期作品から近作まで、「ええっ、こ、この曲やんの?」みたいな選りすぐりの暗い曲ばかりやってます。路線としては70年代根暗フォーク系ですが、アンプラグドでもあまり普段の印象と変わらないどころか、…

Portishead / Dummy

ブリストル・ミュージックの金字塔的作品。古い映画のサンプラーが絶妙です。’94年の発売当時日英で大ヒットしましたが、実は国内配給会社(当時のポリドール)の製作会議では、あまりに音が「寒い」ので、当初国内盤の発売は見送る話も出たそうです。真夏でも…

And Also The Trees / The Klaxon

活動初~中期の、負の波動バリバリの真っ暗サウンドが原因で、何をやってもゴス扱いされ新機軸を見出せないAATTですが、これは沼地から上がってくるような重い湿気が抜けてきた転換期の作品('93)で、陰影の利いた華やかさと重厚な旋廻感が素晴しい、平常…

John Foxx / Metamatic

中〜高校時代、一番好きだったのがこの人。1983年には初来日*も果たしました。どれだけ好きだったかというと、高校時代作っていたミニコミでも始終取り上げ、彼の書いた小説の翻訳に、自分が撮った写真を勝手に載せて本を作ったりしました。著作権侵害ですね…

Manfred Mann Chapter Three / Volume Two

1969年発表。息の長いUKブラスビートバンド、マンフレッド・マンのファンの間では「なかった事になっている」黒歴史的作品です。隣にいるおとなしい人が、予兆なしに突然耳元で絶叫するような唐突なホーンセクションが、一貫して不穏な曲調に絡み合います。…